地方創生の新しい形「出張SEKAI HOTEL」
クジラ株式会社が新たに開始した「出張SEKAI HOTEL」は、地域の魅力を再発見し、民間主導のまちづくりを実現するプロジェクトです。この取り組みは、大阪の布施商店街で培った経験を基にして、全国の自治体や地方金融機関向けに提供されます。
このプロジェクトの目的は、地域に眠っている資源を活用して、新しい宿泊モデルを短期間で検証することです。翌々年に施行予定の「まちづくり関連法の改正案」を受けたものであり、民間企業が地域再生を主導する新たな枠組みを設けようとしています。
「出張SEKAI HOTEL」とは?
「出張SEKAI HOTEL」は、地域に存在する宿泊施設、飲食店、観光資源を編集し、地域全体を一つの“ホテル”として体験できるように工夫されています。これにより、地域の魅力を来訪者に体験してもらうとともに、地域側にも持続可能な受け入れモデルを提供することを目指しています。
プランのステップとしては、以下の4つのプロセスがあります。
1.
地域の個性を言語化し、魅力を整理します。
2. その個性を基にした
体験設計を実施し、利用者の記憶に残る体験を創出します。
3. 宿泊モニターを通じて
フィードバックを収集し、消費者の反応や満足度をデータとして蓄積します。
4. 最後に、得られたデータを基にし、体験設計を見直して、本格展開へと結びつけます。
地方の実情を反映した取り組み
全国各地を訪れる中で、矢野代表は多くの地域が固有の魅力を持ちながら、それが外部に伝わっていない現状を目の当たりにしてきました。特に、観光業から外れた地域では、宿泊事業の開業前に消費者の反応を把握しづらく、非常に大きな課題となっています。布施商店街も好立地でありながら、周辺のテナントが半数も空き物件だったことがその一例です。
地域の方々が「ここには何もない」と感じている限り、信用を得ることさえ難しい状況です。そこで「出張SEKAI HOTEL」は、実際に来訪者を受け入れながら反応を測定し、客観的なデータを集めて事業判断の助けとなるエビデンスを提供します。
法改正への対応
2026年3月10日に政府が閣議決定した改正案は、民間企業が自治体の認可のもとで特定エリアの物件をまとめて借り上げ、リノベーションして地域を再生する新たな仕組みを創設します。
この法案は、空き家や老朽化した地域を企業の手で再生するための制度的な支援を提供するもので、地域再生を担う法人を自治体が指定する枠組みも考えられています。これによって、地域再生が促進され、ふるさとの活性化が期待されています。
「SEKAI PASS」の取り組み
宿泊者には「SEKAI PASS」を発行し、このパスを持っていることで地域のパートナーショップから特典やサービスを受けられます。これにより、訪問者は地元の生活文化に溶け込むことができます。
「出張SEKAI HOTEL」では、宿泊者は町を周遊しながら地域の魅力を体験できるため、単なる宿泊にとどまらない深い体験を提供します。
このようなモデルは、空き家問題の解消や地域の活性化にも寄与し、ビジネスの成功にもつながると期待されています。実際、これまでに「日経優秀製品・サービス賞」や「Human City Design Award」にも選出されています。
2025年には商店街で年間10,000人の宿泊客を集める目標を掲げており、地域の「ありのままの日常」が地方創生における大きな可能性を持つことを証明することに注力しています。