福井県小浜市で生まれた伝統工芸、若狭塗。その美しさは江戸時代から脈々と受け継がれ、今でも多くの人々に愛されています。この度、100年以上の歴史を持つ株式会社マツ勘が、若狭塗の魅力を現代に伝える新作箸「rankak(ランカク)」を発表しました。
「rankak」は、若狭塗の独特の模様美を生かしつつ、現代のライフスタイルに合わせた洗練されたデザインです。色合いも赤や黒に加え、緑や黄色など4色展開。これにより、家庭の食卓に自然に溶け込むスタイルが実現されました。
若狭塗には、数多くの模様がありますが、現在市販されているものは限られた種類のみ。マツ勘は、創業以来代々保管されてきた模様帳から200種類以上の模様を再発見し、その中から「抜き模様」と呼ばれる技法をラインアップに取り入れました。これにより、職人の手によって生み出された繊細で美しい模様が実現したのです。
さらに、伝統的なデザインの箸では男性用が黒、女性用が赤といった選択肢だけしかなかったのですが、「rankak」ではドットやストライプなど現代的なデザインを採用。こうした工夫により、さまざまな世代やライフスタイルに合わせた箸が提供できます。
発売は2023年10月29日から自社直営店「GOSHOEN」で開始され、続いて10月30日からはオンラインでも販売が予定されています。また、同期間に直営店にて展示発表会が行われ、直接その魅力を体験できる貴重な機会となります。
マツ勘の社長、松本啓典氏は、「私たちは若狭塗の美しさを多くの人に伝えたい」と語ります。これはただのプロダクトの発売にとどまらず、若狭塗の技術と文化を次世代に継承していくための重要な一歩なのです。強いこだわりが詰まった「rankak」は、ただの道具ではなく、食卓に彩りを加えるアートでもあると言えるでしょう。
この新しい箸は、単なる日常のアイテムを超え、美しいものを愛でる心を育むとともに、福井県小浜の職人たちの誇りを感じさせる逸品です。私たちの食生活に寄り添う「rankak」は、これからの時代に必要不可欠なアイテムとなるでしょう。是非、手に取ってその魅力を体験してみてください。