介護分野におけるAI・ロボットの利用意向とは
シックスワン株式会社が運営する「ケアワークス」は、2025年5月に介護におけるAIやロボットの利用に関する意識調査を実施しました。調査の対象は、今後家族の介護を行う可能性がある全国の40代から60代の300名です。この調査結果からは、AIやロボットに対する期待と懸念が明らかとなりました。
調査の概要
調査は2025年5月8日から12日の間に行われ、有効回答者数は300件。まず、AI・ロボットによる介護支援について、62.3%の回答者が前向きな意見を示したことが特徴的です。特に「ぜひ利用したい」と回答した人は17.0%、状況に応じて利用を検討したいと答えた人は45.3%に上ります。一方で、「利用したくない」人はわずか9.0%にとどまり、全体としてテクノロジーへの期待が高いことがわかります。
テクノロジーが期待される分野
調査では、AIやロボットが特に役立つと考えられる分野として、身体介助のサポート(27.8%)、健康状態のモニタリング(20.8%)、日常の家事の自動化(20.4%)が挙げられました。これにより、介護者の肉体的負担を軽減できるという期待が寄せられています。
主な介護担い手への意向
介護が必要になった際に希望する担い手については、43.7%が「人間とAI・ロボットの両方を活用したい」と回答しました。この結果からは、介護における柔軟なアプローチが求められていることが伺えます。
課題として浮かび上がる懸念
一方で、AI・ロボット導入に関する懸念も存在します。「高い導入コスト」(37.2%)や「機械の誤作動・エラー」(34.7%)といった意見が目立ち、実際の導入にはこれらの懸念を克服する必要があることが分かります。これらの課題を解決するためには、経済的支援や技術信頼性向上が不可欠です。
国や自治体に求める支援
調査では、AI・ロボット導入を促進するために必要な支援として「購入費への公的補助」(28.8%)や「安全性と有効性に関するデータ提供」(20.1%)が挙げられました。テクノロジー活用が根付きやすくなるためには、具体的な情報提供やサポート体制の強化が求められます。
介護分野におけるテクノロジーの未来
本調査の結果は、全体の6割以上がAI・ロボット技術の介護分野への活用に前向きであることを示しています。特に肉体的負担の大きい業務や24時間体制の見守りなどでの活用が期待され、将来的には人間とテクノロジーの協力のもとで、より良い介護社会の実現が見込まれます。これらを実現するためには、経済的な障壁や技術への信頼性を高め、効果的にテクノロジーを導入することが重要です。”