王子ネピアがAIを取り入れた顧客サービスの革新
王子ネピア株式会社は、国内での老舗製品を手掛ける企業として新たな挑戦としてスキンケア分野に参入しました。この取り組みに合わせて、同社は顧客相談室の構造を大きく改編し、生成AI技術を駆使した新たな顧客管理システム「KARAKURI CXM」を導入しました。このシステムの目的は、顧客との対話を適切に管理し、会社全体の資産としてナレッジを蓄積・共有しながら、より良い顧客体験を提供することです。
スキンケア市場への進出背景
王子ネピアは、ティッシュや紙おむつなどの市場で名を馳せてきましたが、膨大な商品情報を与えられたオペレーターたちは、手書きのマニュアルと独自の経験に頼った対応を行ってきました。しかしながら、個々の知識に依存する体制では後継者への引き継ぎが難しく、ナレッジの属人化が進んでいました。そこで王子ネピアは、デジタルチャネルに親和性の高い新たなターゲット層を意識し、AI技術を導入することを決断しました。これにより、従来の業務フローを見直し、組織的な知見として活かす体制が整いました。
具体的な導入ステップ
STEP 1: 生成AIを活用したデジタルチャネルの構築
2025年3月からは、特設スキンケアサイトにおいて生成AIチャットボット「GeN」が導入され、顧客が疑問を自ら解決できる環境が整備されます。また、電話やメールの問い合わせに対しても、「KARAKURI assist」と呼ばれるツールが導入され、これによりオペレーターは過去の優良事例を参照しながら迅速な対応ができるようになります。作業効率の大幅な改善が見込まれ、回答生成の時間も短縮される見込みです。
STEP 2: お客様の声を可視化するVOCの活用
2025年10月からは、AIの力を借りて顧客インサイトを抽出し、電話音声をリアルタイムでテキスト化する「Voice Search」機能を利用して、顧客の本音を把握する試みが始まります。これにより、通常なら見逃されがちな顧客の感情やニーズも明確にされ、商品開発や流通戦略に生かされることでしょう。
STEP 3: AIによる対応品質評価による育成サイクルの確立
さらに2026年5月には、AIがリアルタイムでオペレーターの応対品質を評価し、自動フィードバックを生成します。新人や中堅オペレーターの育成をデータに基づいて進めることで、ナレッジの共有が進み、顧客体験の安定化が目指されます。
王子ネピアの取り組みに期待が寄せられる
王子ネピアの藤澤ひろ美様は「私たちの目標は顧客体験の向上とファンの拡大です。これを実現するために、カラクリ社とのパートナーシップを選びました。新たな技術的支援を通じて、組織全体で顧客の声を受け取り、ネピアファンを増やしていくお手伝いをしていきたい」と一歩先行く顧客サービスの実現に向けた決意を述べています。
王子ネピアが一歩進んだ顧客対応の体制を整えることで、今後ますますの成長と顧客満足の向上が期待されます。AI技術を用いた革新的なアプローチは、他企業にも多くの示唆を与えることでしょう。