AI校正システム
2018-10-05 10:20:00
印刷業界に革命、AIを活用した校正システムでチラシ制作が変わる
近年、印刷業界はデジタル化の波にさらされ、効率化やコスト削減が求められています。特に、スーパーやドラッグストアのチラシ制作においては、校正作業が時間を要し、ミスが発生するリスクも高く、大きな経営課題となっていました。そこで、方正株式会社と株式会社アスコンが共同で開発した新しいAI校正システムが注目されています。
このシステムは、チラシのPDFデータをAIが解析し、掲載商品の境界線を自動的に判断して区分けします。その結果、校正作業にかかる時間が大幅に削減され、ミスの発生率も低く抑えることができるのです。通常、チラシの制作には3回から5回の校正が必要ですが、AIを利用することでこの回数を削減し、効率的な制作プロセスが実現します。
アスコンは長年、小売業向けの広告制作を手掛けており、特にスーパーマーケットやドラッグストアとの関係が深い企業です。また、方正は中国のグループ会社でIoT、ビッグデータ、AIに関する研究開発を行っており、これまでには大手電機メーカーの物流効率を向上させた実績もあります。この両社が手を組むことで、印刷業界における新たな試みに挑戦しています。
従来の校正作業では、発注主から提供される商品情報を制作会社がエクセルデータなどから正確に反映する必要があります。しかし、競合他社との関係や店舗ごとの価格差によって、同じ商品でも異なる価格が設定されることがあります。そのため、制作オペレーターは訂正原稿と制作データを目視で確認しつつ変更作業を行う必要があり、校閲作業も手動で行われていました。こうしたプロセスは、どうしてもミスが発生しやすく、顧客からペナルティを受けるリスクも常に付きまとっていたのです。
新たに導入されたAI校正システムにより、制作の精度は大きく向上すると期待されています。AIは実際の運用データをもとに校正作業を自動化し、校正漏れを見つけ出します。これにより、従来の人的ミスが大幅に軽減され、より高品質な広告制作が可能になるのです。すでにアスコンの製作現場で実際に運用されており、試験段階を経て効率改善が実感されています。
今後、方正とアスコンはこのシステムの精度をさらに高めるために継続的なAI学習を行い、全国の印刷会社や制作会社向けに校正支援サービスを展開する計画があります。また、特許も出願済みで、特に小売業界での利用が期待されています。
方正の代表は、「これまでに培った他のAI技術を駆使し、今後もさまざまなソリューションを展開していきたい」と述べています。印刷業界におけるAIの進化は一つの転換点を迎え、これからの広告制作の形が大きく変わる可能性を秘めています。
このような新たな技術が普及することで、業界全体の効率とクオリティが向上し、業務の効率化だけでなく、顧客のニーズにも迅速に応えることができるようになるでしょう。このAI校正システムの成功が、さらに多くの業界にも波及効果を及ぼすことが期待されます。
会社情報
- 会社名
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HOUSEI株式会社
- 住所
- 東京都新宿区津久戸町1番8号神楽坂AKビル9F
- 電話番号
-
03-4346-6600