ANRIとPerplexityの提携により、スタートアップ支援を強化
2025年8月に、独立系のベンチャーキャピタルANRIがAI回答エンジン「Perplexity」と提携することが発表されました。この提携では、ANRIが出資するスタートアップに対して、Perplexityが提供する高度なAI検索ソリューション「Perplexity Enterprise Pro」を6ヶ月間無料で提供するほか、Perplexity APIの利用に関しても5,000ドル分のクレジットを無償で提供することが決まっています。このプログラムは、ANRIが展開するVCパートナーシッププログラムの一環として開始されるもので、スタートアップにとっては大きな助けとなることでしょう。
Perplexityは、生成AI技術を利用した対話型検索サービスで、2022年に米国での提供をスタートしました。その後、急速にユーザー数が増え、特に2024年以降、企業向け機能が強化され、1万社以上の導入実績を持つに至ります。日本市場での本格的な展開に向け、このVCパートナーシッププログラムを通じてスタートアップへの支援を加速させることが狙いです。
スタートアップへの具体的な支援内容
この提携によって、特にスタートアップが直面するビジネスモデルの検証や競合分析、技術探索など、多くの調査作業を効率良く行うための支援が行われます。PerplexityのAIツールは、従来の検索手段に比べ、より迅速に情報を引き出し、深く考察することを可能にします。特に英語情報の収集や、複数ソースの要約、事実確認が容易である点が求められており、これによりスタートアップ企業の業務の効率化と成長が期待されています。
負担の少ないAIツールの導入
ANRIは、2012年設立以来、国内外の300を超えるスタートアップにシードステージで投資を行ってきた実績があります。インターネット領域からディープテックまで様々な分野を支援しており、六本木に位置する1,200平米のインキュベーションオフィスを運営しています。今回のPerplexityとの提携により、AIツールをスタートアップ支援の重要な部分として位置付け、調査や意思決定の質の向上を目指しています。
起業家への思い
Perplexityのアジア代表である森田俊氏は、自身の起業経験を踏まえ、スタートアップの初期段階での迅速な意思決定と検証の重要性を強調しています。このVCパートナーシップは日本市場での法人向け戦略の第一歩であり、スタートアップへの直接支援を拡大させる意図があると述べています。
ANRIのシニアプリンシパル、宮﨑勇典氏も今回の連携に対し、AIの活用が日本のエンジニアや起業家にとっての新たな活力源となることを期待しています。
まとめ
この提携は、ANRIの投資先スタートアップ企業にとって大きなチャンスであり、効果的にAIを活用することで市場競争力を高め、事業成長に寄与することが期待されています。申込みについては、ANRIの投資先支援メニューを通して可能で、担当キャピタリストに連絡をすることで活用ができます。
Perplexityは、リアルタイムに信頼性の高い情報を取得し、ユーザーに適切な回答を提供するAI検索エンジンで、毎週世界中で2億件以上の質問に答えています。ANRIもこのパートナーシップを通じて、スタートアップ企業の成功をサポートするための環境を整え、引き続き多様な支援を行っていく構えです。