企業と個人をスキルでつなぐ新しいマッチングの形が始まる

日本における労働力不足は年々深刻化しており、企業は優秀な人材を獲得するための競争が激化しています。その中で、これまでの「採用」という枠を超えたアプローチが求められています。パーソルキャリア株式会社が推進する「HiPro」は、この課題に対して新たな風を吹き込もうとしています。

「HiPro」は、パーソルキャリアが提供するプロフェッショナル人材活用支援サービスです。その目的は、スキルを基に企業と個人がつながる新しい社会の実現です。これにより、企業は必要なスキルを持った個人とスムーズに出会うことができるようになります。

スキル起点でつながる未来へ

5月22日に開催された事業方針発表会では、「HiPro」と転職サービス「doda」の新たな連携についても触れられました。この連携を通じ、企業と副業・フリーランス人材とのマッチングを強化し、より多様な働き方を可能にします。特に注目すべき点は、「副業・フリーランス人材白書2025」に基づく最新の調査結果の発表です。これにより、現状の課題やニーズを理解し、マッチング精度を向上させるための情報が提供されました。

さらに、日本の人的資本経営の専門家である岩本隆氏や、多様な人材獲得を実践しているスズキ株式会社、TIS株式会社のゲストを招いたトークセッションも行われ、貴重な知見が共有されました。

労働力不足を解決する新しい取り組み

日本の転職求人倍率は現在2.51倍という高水準に達しています。このような環境下で、企業は副業・フリーランス人材を活用する動きが強まっています。しかし、副業やフリーランス人材を活用したことのある企業は、未だに3割未満という現実があります。これは、メンバーシップ型雇用が根付く企業文化や、採用に対する依存度が影響していると考えられます。

「HiPro」は、このような環境を打破し、スキルに基づいて企業と個人がつながる仕組みを提供します。その一環として、システムを通じて求めるスキルを整理し、個々のニーズに応じたマッチングを行う仕組みが強化されます。これによって、企業は必要な業務をはっきりと定義し、適切な人材を探しやすくなります。

拡張されたジョブコードによるマッチングの精度向上

特に注目すべきは、「ジョブコード」と呼ばれるマッチングサポート機能の拡充です。従来600種の業務から、3000種にまで拡張されることで、企業は求める人材像をより具体的に描くことができます。個人も、登録した経歴や経験に対してより適したジョブとマッチングされる機会が増えるのです。

この新しいジョブコードを利用することで、企業と個人はスムーズにビジネス機会を得ることができ、マッチングの精度が飛躍的に向上します。また、AIを活用した自動マッチング機能の導入も予定しており、短時間で最適な人材と出会える環境が整います。

キャリアを柔軟に考える場を提供

「HiPro」では、スキルを軸にしたマッチングイベント「スキルフォーラム」も開催予定です。これは従来の採用イベントとは異なり、職探しやキャリア形成において多様な選択肢を提供する場となります。企業と個人が相互に学び合うことで、双方の成長を促進します。このように、企業の採用活動や人材活用が進化することで、より持続可能な社会が実現されることを目指しています。

まとめ

日本の労働市場において、パーソルキャリアが先導する「HiPro」の取り組みは、スキルを中心にして企業と個人を結ぶ新たな方法論を示しています。人材不足の課題に対する新たな解決策として、企業は多様な人材を受け入れ、個人はより充実したキャリアを築くことができる未来が待っています。今後の動向に注目が集まる中、私たちもこの新しい働き方の流れに参加していきたいものです。