住友林業、Metricon社の買収を発表
住友林業株式会社(社長:光吉敏郎)が、豪州最大手の住宅会社であるMetricon社を買収することが決定しました。この買収により、住友林業グループは豪州において、年間7,000戸以上の住宅供給を実現し、全豪No.1の規模を誇るビルダーグループへと成長します。
Metricon社の概要と買収の狙い
住友林業の100%子会社であるSumitomo Forestry Australia Pty Ltd.がMetricon社の持分51%を取得することで、Metricon社は連結子会社となります。Metricon社は豪州の主要州であるビクトリア、クイーンズランド、ニューサウスウェールズ、南オーストラリアで独自の事業を展開し、高いブランド力を誇っています。特に、同社の注文住宅の着工戸数は年間で約3,894戸となっており、業界トップの実績を持っています。
豪州市場の動向と住宅需要の高まり
2023年、オーストラリアの人口は約2,664万人に達し、自国で生まれた人口の割合が約3割です。移民政策の影響もあり、今後2034年には人口が約3,090万人にまで増加する見込みです。このような安定した人口増加に伴い、住宅に対する需要も増加していくことが予想されています。2024年からの5年間で政府は120万戸の住宅供給を目標に掲げており、住友林業は市場の成長を背景に一層の発展を目指します。
一方、増加する人口に対して住宅供給は不足しており、住宅価格は上昇し続けています。特に近年では政策金利の上昇が影響し、多くの人々が手頃な価格の住宅に対するニーズを高めています。そのため、住友林業の事業展開が期待されるとともに、Metricon社の持つ多様な商品ラインナップが大きなアドバンテージとなります。
買収によるシナジー効果と今後の展望
Metricon社を傘下に持つことで、住友林業は各州での販売エリアや商品展開の幅を広げ、さらなる市場シェアの拡大を狙います。また、Metricon社の強力な販売機能や資材調達機能を全グループに統合し、コストの削減や安定供給につなげることで、持続可能な成長を目指します。
さらに、住友林業グループは2030年までに戸建住宅供給を米国で23,000戸、豪州で10,000戸に達することを目標に掲げており、海外でのビジネス拡大を進めています。2023年には米国での住宅販売戸数は10,221戸、豪州でも3,402戸に達しており、今後の成長に期待が高まります。
環境への配慮とCSR
住友林業グループは、木材を軸とした事業展開を通じて環境への配慮を重視しています。長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では、CO2吸収を増やし、木造建築の普及を進めることで、環境保護に貢献することを目指しています。Metricon社を含むグループ全体で環境配慮型の住宅を普及させ、持続可能な社会の実現に努めていきます。
住友林業のこの一連の動きは、豪州市場の変化に柔軟に対応し、住宅不足の解決にも繋がる重要なステップとなると考えられています。