船員の健康確保を目指したアイディアとさんぎょうの協業の詳細
近年、内航海運業界では船員不足が深刻な課題となっています。この問題を解消するため、船員の働き方改革を進めるための動きが始まりました。特に、2022年4月には船員法が改正され、労働時間の管理や過労防止措置が義務化され、更に2023年4月からは常時50人以上の船員を雇用する船舶所有者に対して、産業医による健康管理やストレスチェックが義務付けられることとなりました。これにより、船員の健康確保に向けた取り組みが本格開始することになります。
しかし、内航海運業界の多くは中小企業が占めており、これらの法的義務を単独で果たすことは困難です。このため、外部の支援を利用する必要があります。そこで、アイディア株式会社とさんぎょうい株式会社の協業が進められることとなりました。アイディアは、労働時間管理のためのシステム『Aisea Crew』を提供し、さんぎょうは産業保健サービスのパイオニアとして17年の実績を持っています。両社が連携することで、船員の健康確保をサポートし、さらなる働き方改革を実現することを目指しています。
企業間の協業背景
アイディア株式会社が提供する『Aisea Crew』は、船員向けのアプリケーションと、陸上管理者向けのWebシステムを通じて、簡単に労働時間管理を行えるサービスです。このシステムは、簡素なデザインにより、船員全員が迷わず利用できるように設計されています。さらに、労務管理記録簿を自動生成する機能や、過労リスクを警告するアラート機能も搭載されています。
対して、さんぎょうい株式会社の産業保健サービスは、法改正によって必要となる産業医による健康管理や、過労防止、メンタルヘルス対策などを専門的に支援するものです。陸上で培った知識とノウハウを活かして、内航海運業界に特化したサービスを提供します。
両社が組み合わせることにより、内航海運業者は船員の労務管理の適正化を行い、健康確保のための適切なサポートを受けることが可能になります。例えば、『Aisea Crew』が示す労務情報を基に、さんぎょうのコーディネーターが適切なアドバイスを提供することができ、具体的な対策を見出す手助けとなります。
今後の展望
今後、アイディア株式会社とさんぎょうい株式会社は、船員の働き方改革に向けたさらなるサービスの拡大を目指します。特に、海運業界特有の課題に特化した新しいサービスの開発も視野に入れています。例えば、船舶が港を離れた際でも、デジタル技術を活用して船員の健康情報をタイムリーに産業医に提供する仕組みを検討しています。これにより、船員の健康状況を一層効果的に管理できるようになります。
今回の協業は、内航海運業界の労務環境を改善するための重要な一歩であり、業界全体のさらなる発展を促進することでしょう。両社は共同で新しいサービスの提供に向けた取り組みを進め、船員やその雇用者にとって、より良い労働環境の実現を目指してまいります。
企業情報
アイディア株式会社
- - 所在地: 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-14-5 第16スカイビル8F
- - 設立: 2017年11月
- - 資本金: 3億1,502万5,000円
- - 代表者: 下川部 知洋
- - 事業内容: 海事産業プラットフォーム「Aisea」の開発・運用
- - URL: アイディア株式会社
- - Aisea Crew サービスサイト: Aisea Crew
さんぎょうい株式会社
- - 所在地: 東京都新宿区西新宿二丁目四番一号 新宿NSビル6階
- - 設立: 2005年11月
- - 資本金: 3,300万円
- - 代表者: 芥川奈津子
- - 事業内容: 労働安全衛生法規業務の受託と運営、産業医選任とサポート
- - URL: さんぎょうい株式会社