職場におけるやる気の低下と生産性への影響
日本の企業において、社員のやる気が徐々に低下していることが懸念されています。これは、生産性の向上に直結する重要な問題です。最近行われた調査によると、やる気を失った経験を持つ人の83.9%が「エンゲージメントが低下する」と回答しています。日本の一人当たり労働生産性は、2022年にはOECD加盟38か国中28位に下落し、この状況を受けて企業はどのように対応すべきか考える必要があります。
特に注目すべきは、米国のギャラップ社によるエンゲージメント調査結果です。この調査では、日本が139カ国中132位という厳しい結果を示し、70%もの社員が「やる気がない」と感じていることが明らかになっています。このような背景から、企業は「社員がやる気をなくす瞬間」を特定し、改善策を講じることが急務だといえるでしょう。
調査の目的と方法
この調査では、企業が抱える“やる気をなくす瞬間”に関連する要因を特定するため、124人の社会人を対象にアンケートを実施しました。調査内容としては、年齢や過去のやる気低下体験、更にはその原因とされる制度についての意見を収集しました。
結果として、年代を問わず86%の人が「やる気を無くす瞬間にエンゲージメントが低下する」と回答。また、約3分の1の人が職場内における社員同士の強い関係性が重要であると回答しました。これらの結果は、企業が職場の雰囲気や人間関係を見直す必要があることを示唆しています。
生産性向上のカギは「モチベーション」
生産性を向上させるためには、従業員のモチベーションを向上させること、ひいてはエンゲージメントを高めることが不可欠です。企業内で「何がエンゲージメントを下げるのか」「何がエンゲージメントを上げるのか」を見極めることが重要であり、具体的な事例を通じて改善策を探る必要があります。
また、株式会社職場風土づくりが発表した、キャリア・コーチによる事例集『社員がやる気をなくす瞬間 ~間違いだらけの職場づくり』は、効果的な職場作りにおいて参考になるでしょう。
調査結果の詳細
Q1:あなたの年齢を教えて下さい
- - 20代:1%
- - 30代:14.4%
- - 40代:36.5%
- - 50代:30.8%
- - 60代:17.3%
Q2:仕事を通じて「やる気を無くしたこと」がありますか?
Q3:最も「やる気を無くした瞬間」はどんな時でしたか?
- - 上司とのコミュニケーション不足
- - 適切な評価がされないとき
- - 業務が単調に感じられるとき
Q4:「やる気を無くした瞬間」にエンゲージメントは下がりましたか?
Q5:「やる気を無くした瞬間」を振り返ってみてどの様な制度や体制があればエンゲージメントは高まると考えますか?
- - 定期的なフィードバック制度
- - ワークライフバランスの向上
- - 社員間のコミュニケーション促進
調査概要
- - 調査期間:2022年12月20日~26日
- - 調査機関:株式会社職場風土づくり
- - 調査対象:全国の就業経験のある成人
- - 有効回答数:190名
- - 調査方法:インターネットを通じたダイレクトメールによる配布・回収
これらの結果を基に、企業は自らの職場環境を再評価し、やる気を引き出す取り組みを進めるべきです。