味わいと安全性を両立した新しい介護食「ムーミーくんの刻み食」
近年、高齢者層の増加に伴い、咀嚼や嚥下機能の低下が多くの人々に影響を与えています。その中で食事が難しくなり、「食べる喜び」が失われてしまうケースも少なくありません。そんな状況を改善すべく、近畿大学農学部と日本ケアミール、からここカンパニーが共同で新しい介護食「ムーミーくんの刻み食」を開発しました。この商品は、咀嚼・嚥下機能が低下した方々でも、見た目や味を楽しみながら美味しく食べられることを目的としています。
商品特徴と開発背景
「ムーミーくんの刻み食」は、介護制度のニーズに応じた特別な食事であり、喫食者が一目で料理だと分かるよう工夫されています。従来のムース食はその特性上、見た目や口当たりが問題視されることも多く、食欲の促進には至らないことがありました。しかしこの新しい刻み食は、調理工程を改善し、食材の自然な風味や色合いを引き出しつつ、咀嚼しやすい柔らかさに仕上げています。
背景には医療や介護の現場で行われてきた長年の研究があります。近畿大学農学部食品栄養学科の准教授、木戸慎介氏は、咀嚼や嚥下に関する専門的な知見を活かし、肉や魚、野菜といった食材の加工方法を見直しました。結果、見た目に鮮やかで、栄養価も高く、何よりも「美味しい」と感じてもらえる介護食が完成したのです。
食品の柔らかさと味わいの科学
開発された「ムーミーくんの刻み食」では、様々な試食評価を経て、医療スタッフや患者さんからのフィードバックを元に改良を重ねています。例えば、1日3食分がセットになっており、朝食は鮭の味噌焼きや豆腐、昼食は唐揚げやさつま芋、夕食には海老チリやほうれん草といったバリエーションが楽しめます。これにより、毎日の食事の中でも飽きることがなく、色々な味わいを楽しむことができます。加えて、食材本来の栄養価をしっかりと保持できるよう、調理方法にもこだわっています。
未来に向けた介護食の可能性
「ムーミーくんの刻み食」は2025年の9月1日に販売予定で、日本ケアミールを通じて介護事業者などを中心に提供される見込みです。そして、この商品を通じて、食事を楽しめることが、高齢者の生活の質を向上させる重要な要素であることを広く伝えていきたいと考えています。食べることは生きる喜びにつながるため、多くの人々がこの刻み食を通じてその喜びを再発見できることを心から願っています。
関連企業情報
所在地:兵庫県伊丹市
設立:2010年
事業内容:介護食の開発および製造販売
代表者:柴田英治
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所在地:大阪府八尾市
設立:1957年
事業内容:給食サービスの提供
代表者:小林雅代
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