tripla、アジア市場への進出を発表
宿泊業界のデジタル化を進めるtripla株式会社が、新たに香港とフィリピンに子会社を設立することを決定しました。この動きは、同社が既に展開しているアジアの他の国々での実績を基にしたもので、今後の成長に向けた重要な一歩です。
香港とフィリピンの市場背景
香港とフィリピンは、それぞれ多くの観光客を迎える国です。香港旅遊発展局の発表によれば、2024年上半期のインバウンド観光客数は前年同期比64.2%増となる2115万1235人に達したと報告されています。一方、フィリピン観光省も、2024年の外国人観光客による国内観光収入が前年同期比32.8%増の2821億7000万ペソ(約7827億円)と順調な回復を見せています。このように、両国の観光業は活性化しておりますが、宿泊施設は依然として高額なOTA手数料の負担や人手不足といった課題に直面しています。
トリプラが目指すデジタル化
トリプラは、これまで台湾、韓国、インドネシア、タイなど、アジア地域での展開を進めてきましたが、今後は香港とフィリピンに特化したサービスを提供していく予定です。その主な目的は、宿泊施設における業務のデジタル化を促進し、収益の最大化を図ることです。
同社は、独自のITソリューションを活用して、宿泊業界の効率化を進めます。高橋和久CEOは、ダイレクトブッキングを利用したホテル独自のブランド戦略がまだ未発展であるとし、これを強化することが必要だと述べています。
経営者の思い
高橋CEOは、「香港やフィリピンは観光資源が豊富であり、特に香港は日本からの観光客も多い」と述べ、今後の市場拡大に対する期待感を表明しました。また、サービスを展開する際には、決済コストの最適化も進め、グループ全体の競争力強化を図るとしています。
サービスとビジョン
triplaは、宿泊業界向けの様々なSaaS型サービスを展開しており、AIチャットボット「tripla Bot」や予約エンジン「tripla Book」、マーケティングオートメーションサービス「tripla Connect」などが含まれます。これらのサービスは、宿泊施設の自社予約比率の向上を助け、顧客体験を高めることを目指しています。
同社は2022年に東京証券取引所に上場しており、現在は8000以上の宿泊施設にサービスを提供しています。今後も「イノベーションで顧客を感動させる」をミッションに掲げ、さらなる発展を目指してサービスを充実させていくことを約束しています。
最後に
宿泊業界のデジタル化が急務とされる中、トリプラの動きは業界において特に注目されるものとなるでしょう。今後、アジア市場の成長に寄与し、より多くの宿泊施設が利益を拡大できることが期待されます。