ルリアンと筑波大学の共同研究が運んだ相続の新視点
株式会社ルリアン(以下、ルリアン)は、筑波大学と共同で実施した「相続工学」に関する研究論文を、地理情報システム学会誌に掲載しました。タイトルは『相続遠距離化と金融資産移動 ―相続起因の東京一極集中と地方衰退―』。本論文では、戦後から続く大規模な人口移動が相続のあり方に与えた影響を、実データを用いて分析しています。
研究の背景と目的
ルリアンは、相続に関するデータを活用し、地域間の金融資産移動の構造を明らかにすることを目指しています。特に、地方から都市部における財の集中が、相続によってどのように進んでいるのかを研究していました。
研究の3つの重要な発見
本論文で浮き彫りになったのは、以下の3つの重要な発見です。
1.
年間約30兆円の相続金融資産が移動
日本では、1年間に相続される預貯金や株式などが29.79兆円に及ぶと推計されています。これにより、相続が国内の地域間で多大な額の資金移動の要因であることが示されました。
2.
年間2.19兆円が地方から東京圏へ流入
資金移動の分析では、東京都と神奈川県には年間1.51兆円の流入超過がある一方で、他の地方は流出超過に転じています。これにより、東京圏への相続金融資産の集中が進んでいる実態がデータから読み取れます。
3.
資産の「自治体完結」はわずか4分の1
自治体内で全ての相続人が留まる「自治体完結型」の相続は、全体の約26.2%にすぎません。多くは自治体外へ資産が流出し、特に地方に残る配偶者の二次相続によって資金が大都市に流れる可能性が高いとされます。
これらの研究成果は、人口高齢化や相続による経済の再分配、地域活性化の施策など、社会のさまざまな課題に対する貴重な示唆を提供しています。
相続工学とは
相続工学は、ルリアンが運営する相続プラットフォーム「みんなの相続窓口」のデータを用い、相続を科学的アプローチで解析する新たな研究領域です。相続に関わる複雑な社会課題を解決することを目指し、筑波大学や麗澤大学とともに研究を進めています。
2024年には麗澤大学に「相続工学研究センター」も設立され、さらなる研究の加速が期待されています。