日本人の髪色を広げる新たなヘアカラー技術
ホーユー株式会社は、髪色に影響を与える毛髪メラニンに着目した研究を進め、新しいヘアカラー技術を確立しました。この技術は、日本人の毛髪特性に基づき、特に髪色の変化を促す「リングゾーン」と呼ばれる部分に集中して開発されました。これは、日本人特有の大きなメラニン顆粒がリングゾーンに多く存在することを科学的に解明し、それに対応する形で行われています。
研究の背景と目的
髪の色はメラニン色素によって決定されます。ホーユーでは、毛髪に含まれるメラニン顆粒のサイズ、数、分布について定量的な調査を行い、日本人の毛髪特性を明らかにしました。研究の結果、日本人の毛髪は欧米人に比べてメラニン顆粒が大きく、特にリングゾーンに多く存在することが分かりました。これにより、メラニン顆粒の分解を通して、より多様な髪色を実現することが可能になると考えられました。
新技術の概要
今回の新技術では、過炭酸ナトリウムという物質に焦点を当てています。これは、毛髪の外周部に存在するメラニンを選択的に分解する特性を持ち、リングゾーンにおけるヘビーメラニンの効果的な分解を可能にします。また、髪はダメージや生活環境の影響で金属が付着しやすく、これがヘアカラーの発色に悪影響を及ぼすことが知られています。ホーユーは、特定のキレート剤を高配合することで、この金属の影響を抑える取り組みも行っています。これによりどんな毛髪でも安定した発色が可能になりました。
新たな可能性の創出
この新しいヘアカラー技術により、日本人の毛髪でも幅広い髪色の選択肢が増えることになります。ヘアカラー市場において、ホーユーは1996年以降ずっと国内シェアナンバーワンを維持しており、創業からの長年の研究・開発の成果として注目されます。この技術がもたらす可能性は、これからの製品開発にも大きな影響を与えることでしょう。
未来へのビジョン
ホーユーは、顧客彩りビジョンや環境彩りビジョン、社員彩りビジョンを掲げ、持続可能な社会の発展に貢献し続けることを目指しています。2023年に創立100年を迎え、今後も新しい価値の創出に努め、世界中の人々に愛される髪色表現を提供することで、業界の革新を引き続き推進していきます。
この技術によって、日本人の髪色の表現の幅は大いに広がるでしょう。ホーユーは新しい挑戦を続け、人々に「イキイキ・ワクワク」する未来をもたらすために、今後も研究を進めていく方針です。