さとうわきこ展が神戸ファッション美術館で開催
6月28日(土)から神戸ファッション美術館で、特別展「星をみつめておもいだすさとうわきこ展」がスタートします。2024年3月28日に89歳で急逝した絵本作家・さとうわきこさんを偲ぶ本展では、彼女のクリエイティブな軌跡を辿ることができます。
さとうわきこさんの生涯
さとうわきこさんは、女性絵本作家が少なかった時代にデビューし、約60年の間に100冊以上の絵本を執筆しました。自身の人生も決して順風満帆ではなく、幼い頃から病気がちで、友だちと遊ぶことができない日々を過ごしました。さらに、若いころに最愛の父を喪失し、母の背中を見て自立を決意します。そんな苦境を乗り越えながら、絵本作家としての夢をつかむ姿は、まさに彼女の作品の背景を形成しています。
展示内容と構成
本展では、『せんたくかあちゃん』シリーズや「ばばばあちゃん」シリーズを含む原画約210点が展示されます。特に注目すべきは、彼女の数多くの著作が持つ生命力です。子どもたちに勇気を与えるその物語は、長年にわたり愛され続けてきました。
第1章: はじまりのこと
幼少期のさとうわきこさんの病気がちだった頃の経験や、絵を描き始めたきっかけとなった出来事など、若き日の苦悩と希望を感じることができる展示です。詩作ノートや原画も展示され、彼女のルーツを知る手助けとなります。
第2章: 母のこと、父のこと
若い父の死と、女手一つで家庭を支えた母の姿は、さとうさんの作品に深い影響を与えました。この章では、『せんたくかあちゃん』や「とうさん」シリーズの原画が展示され、私たちに自立心や人の優しさを教えてくれます。
第3章: わたしのこと
「母の友」での挿絵活動を通じて、多くの動物たちや人々と触れ合った彼女の日々が思い起こされます。神秘的な猫たちが描かれた絵の数々が、温かい雰囲気を醸し出しています。
第4章: ばばばあちゃんのこと
さとうわきこさんが46歳で手がけた『いそがしいよる』が、彼女を人気絵本作家へと押し上げた作品です。「ばばばあちゃん」シリーズは、彼女の代表作として多くのファンに愛されており、その魅力が展示を通じて感じられます。
第5章: いろいろなひとのこと
長野県岡谷市に設立した小さな絵本美術館での貢献も紹介され、多くの人々との出会いから生まれた作品が並びます。これは、彼女が生涯を通じて絵本文化の普及に尽力した証です。
開催情報
本展は2025年8月31日まで開催され、訪問者にとって、彼女の足跡を辿る貴重な機会となるでしょう。開館時間は10時から18時で、入館は17時30分までです。一部休館日がありますので、予め確認を。前売りチケットも好評販売中です。
この展覧会は、絵本を愛するすべての人々にとって、さとうわきこさんの世界を深く体験できる機会です。ぜひ、この機会をお見逃しなく!
お問い合わせ
神戸ファッション美術館の公式サイトや電話で詳細を確認できます。興味のある方はぜひ訪れてみてください。