アンリツとLITE-ON社の連携によるO-RANプラグフェストの成果
2024年春、いよいよO-RAN Global PlugFestが開催されました。これは、O-RAN ALLIANCE主催の重要なイベントで、無線アクセスネットワークのオープン化を図る通信業界の大きな取り組みの一環です。今回、アンリツ株式会社がLITE-ON Technology Corporationと協力し、この試験に参加したことは、業界にとって重要な意味を持っています。
O-RANとは何か?
O-RANは、より柔軟で拡張性のある無線アクセスネットワークを実現することを目指す団体、O-RAN ALLIANCEによる取り組みです。これは、通信事業者や機器ベンダーなどが連携して、インターフェースのオープン化やエコシステムの形成を進めるものです。O-RANの導入は、ネットワークのコスト削減やパフォーマンス向上に寄与するため、特に5Gの進展において不可欠な要素となっています。
試験の概要
アンリツは、O-RANのフロントホール仕様に基づいたO-RU(O-RAN Radio Unit)の試験を行いました。これにより、LITE-ON社が提供する5G対応の無線基地局装置の性能を確認しました。また、試験は北米のRutgers UniversityにあるJoint North America PlugFestの会場で実施され、さまざまな実装検証が行われました。
コンフォーマンス試験の実施
アンリツは、O-RAN WG4(Work Groups 4)によって定義されたCU-Planeテストシナリオに基づき、成否判定を行いました。この試験では、3GPP TS38.141-1に準拠したUplink試験を実施し、重要な指標であるBLER(Block Error Rate)を測定しました。これにより、O-RANプラグフェストでの試験時間の短縮を図り、効率性を向上させることができました。
提供機器
今回、アンリツは無線ユニットの試験に際して、O-DU Emulator、ネットワークマスタープロMT1000A、ラジオコミュニケーションテストステーションMT8000A、さらに必要なソフトウェアを動作させるための制御PCなどを提供しました。これにより、テストの精度が向上し、信頼性のあるデータが得られることにつながりました。
今後の展望
アンリツは、今後もO-RANテストソリューションを発展させ、オープンかつ安全なモバイルネットワークの構築を推進していく方針です。無線アクセスネットワークの進化は、通信業界全体にとって重要な課題であり、アンリツの努力はその解決に貢献することが期待されています。
LITE-ON Technology Corporationについて
LITE-ON社は、1975年に設立された企業で、台湾初のエレクトロニクス上場企業の一つです。同社は発光ダイオード(LED)のパイオニアとしての地位を確立し、O-RANに準拠した商用5Gプライベートネットワークソリューションの提供を行っています。これにより、通信インフラの近代化が進み、様々な業界での活用が期待されています。
まとめ
アンリツとLITE-ON社の協業は、次世代通信インフラの実現に向けた大きな一歩です。O-RANの導入は今後ますます進んでいくことが考えられ、両社の取り組みはその中心的な役割を果たすでしょう。さらなる技術革新と業界の発展に力を合わせ、持続可能なネットワーク社会の構築に貢献することが期待されます。