2025年7月25日(金)、株式会社KADOKAWAより月刊文芸小説誌『小説野性時代』(電子雑誌)の2025年8月号が配信されました。今回の号(vol.260)には、特に注目の作品が満載です。
まず、連載第2回を迎えた今野敏の「百鬼」は、見逃せません。関節技を駆使して被害者を病院送りにする「鬼」という存在が描かれており、物語の緊張感が増しているのが感じられます。七つの署で起こる連続傷害事件、その共通点とは何か。次の展開が非常に楽しみです。
また、最終回を迎えた寺地はるなの『町は今日も』は、非常に感動的なラストシーンが描かれています。主人公が心の底から他者とわかり合うことができないという葛藤を抱えつつも、「今日」という日常を大切にし、物語が進んでいきます。読み終えた後には、心が温まる感覚が残りました。
同じく最終回を迎えた馳星周の『海霧(ジリ)』も、浦河の夜明けの沖で繰り広げられる物語が印象に残ります。主人公たちの成長や対話が織り交ぜられ、幻想的な海霧が立ち込める春の風景が目に浮かぶようでした。
さらに、おすすめの連載として安部若菜の『描いた未来に君はいない』も要チェックです。大阪から転校生としてやってきた奈海をヒロインに、大和が彼女の秘密を知り、彼女との関係を築いていく様子が描かれています。人生最後の夏休みをテーマにしたこの物語も、心に響く内容でした。
最後に、米澤穂信著、星野源の写真が組み合わさった『石の刃』も注目されています。華麗なるリーガルミステリシリーズの第五回となるこの作品では、「殺人日記事件」の全容が明かされ、謎が解き明かされていく過程が楽しめます。
この号の配信は毎月25日で、今後も電子書籍や各種プラットフォームで展開予定です。定価は385円(税込)と手頃で、お気軽に楽しむことができます。KADOKAWAの公式書誌詳細ページやBOOK☆WALKERなどでぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。