アイルランド産乳製品の日本向け輸出実績
アイルランド政府食糧庁Bord Bia(ボード・ビア)は最近、2025年における日本市場向けのアイルランド産乳製品の輸出実績を発表しました。この実績によると、2025年の輸出量は約11,600トンで、輸出額は約5,265万ユーロ(約95億8,000万円)となりました。
前年比で見てみると、輸出量は7.0%減、輸出額は8.9%減という結果が出ていますが、これはコロナウイルス感染症による影響や原材料の価格変動が影響している可能性があります。それにもかかわらず、アイルランド産乳製品は日本市場での高付加価値製品としての需要は堅調に推移しています。
輸出品目の分布
輸出品目を詳しく見ると、チーズが引き続き最大の輸出品目であり、全体の約9割を占めています。その輸出量は約10,500トン、輸出額は約4,625万ユーロ(約84億1,000万円)に達しています。また、カゼインは前年比で13.2%増の約380トンを記録し、乳たんぱく原料への需要が引き続き高いことを示しています。これは日本市場における健康志向の高まりや、日々の栄養補助食品としてタンパク質の重要性を再認識する動きから来るものでしょう。
アイルランドの生乳生産
2025年のアイルランド国内における生乳生産量は80.4億リットルで、前年同期比で約4億680万リットル増加(4.8%)しました。また、2023年との比較でも生乳生産量は3億7,680万リットル増となっており、アイルランド産乳製品の安定供給能力が改めて証明されました。1950年からの発展を考慮すると、生乳生産量は約2倍に成長しており、持続可能な成長が続いています。
日本市場での動き
2025年にはアイルランドの主要乳業企業が日本市場への取り組みを強化しています。例えば、ティルラン社は日本法人に新たなカントリーマネージャーを迎え、活発な市場展開を行っています。また、アイルランド・キルケニーに位置する最先端のホエイプロテイン加工施設には、1億2,600万ユーロの投資計画が発表されています。この投資により、生産能力と製品の品質向上を目指し、国際競争力をより一層強化する考えです。
さらに、ケリー・デイリー・アイルランド社が独立する初の年で、同社はSustainable Dairy Partnership(SDP)の枠組みの中で乳製品加工企業として初めてのステージ5認証を取得しました。2026年の中頃には、新コーポレートブランドを発表予定で、さらなる市場拡大に期待が高まります。
持続可能性と高品質のアピール
アイルランド乳製品は、温暖な気候と清浄な環境のもとで生産されており、栄養価の高いグラスフェッド乳製品として国際的にも評価されています。TeagascやFood for Health Irelandの研究によれば、アイルランドのグラスフェッド乳牛は、年間約240日も放牧され、飼料のおよそ95%が牧草です。これにより、他の飼育環境と比べてオメガ3脂肪酸や共役リノール酸(CLA)を多く含む乳製品が得られます。
Bord Biaは今後も日本市場に向けて、アイルランド産乳製品の品質、安全性、および持続可能性を訴求していく方針です。特にチーズや乳たんぱく原料を中心に、さらなる事業拡大を支援し、アイルランドの乳業の可能性を広げていくことでしょう。