副業、本当に必要ですか?
株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が、人材開発専門誌『Learning Design』の2024年9-10月号にて、特集「副業、本当に必要ですか?」を発表しました。この特集では、企業が副業を解禁する動きが進む中での現状や課題について掘り下げます。
副業実施率の現実
多くの企業が副業を解禁しているものの、実際の実施率はあまり高くないというデータも存在します。その背景には、企業と従業員の労働観の差異や、労務管理における問題が挙げられます。企業側は従業員の時間を効率的に使うための管理手法を再考し、従業員側は多様なキャリアの必要性を感じつつも、その実践には躊躇があるようです。
副業のメリットとデメリット
ここでは副業のメリットとデメリットについて整理します。
メリット
- - 多様な経験の蓄積: 副業を通じて異なる業界や職種の知識を得ることができ、自分自身の市場価値を高めることに繋がります。
- - 収入の増加: 本業に加えて副業から得られる収入は、経済的な安定をもたらし、リスクを分散する効果があります。
- - 人間関係の拡大: 新しい職場での人脈が広がり、ビジネスチャンスの創出に効果的です。
デメリット
- - 時間の制約: 副業に時間を取られることで、本業への影響が出る可能性があります。
- - 健康の影響: 働きすぎによるストレスや健康障害が懸念されます。
- - 法律的問題: 副業が本業との競合になる場合、契約違反と見なされるリスクもあり、自らを守るための法律的知識が必要です。
専門家の意見
この特集には複数の専門家による意見も寄せられています。
- - 川上淳之氏 (東洋大学経済学部教授): 「副業経験をシェアすることで、成長と貢献を促進できる」と提言。
- - 伊達洋駆氏 (ビジネスリサーチラボ代表): 「副業をプラスに活用するために、個人と組織ともにできることが多数ある」と述べました。
- - 長岡健氏 (法政大学経営学部教授): 「組織に縛られない自由な働き方が重要であり、体質改善型のアンラーニングが必要です」としています。
トラブルを避けるために
さらに、ひかり総合法律事務所の山田康成氏は、副業を行う際のトラブル防止策について、注意すべきポイントを指摘しています。特に契約内容や労働時間の明確化が強調されています。
企業事例
三井住友海上火災保険や日本郵政グループ、KDDIなど、地域内での副業推進の取り組みや成功事例についても触れられています。これらの企業がどのように副業を位置づけ、効果を上げているのかに関しても興味深い情報が盛り込まれています。
結論
この特集を通じて、副業が単なる収入源としてだけでなく、個人の成長や企業の人材戦略にどのように寄与するのかが再評価されることが期待されます。副業の是非を考え、自らのキャリアデザインに役立てるための良い機会となることでしょう。
最新号『Learning Design』は「Learning Design Members」サイト上にて公開されていますので、ぜひご参照ください。詳細は
こちらから。
JMAMについて
日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)は、企業の人材育成を支援する一方で、出版活動も展開している団体であり、「成長に、寄り添う。」をパーパスとして掲げています。今後も、多様な働き方についての情報提供を行い、皆様のキャリアに寄与していきます。