農業界に革命をもたらすマッスルスーツと冷却ウェアの新導入
アシストスーツを製造するスタートアップ、株式会社イノフィスが、北海道美瑛町の農家に新たな解決策を提供しました。同社の「マッスルスーツ Soft-Power®」と「COOL-VEST」を導入することによって、農業における腰痛と暑さという二重の問題を解消しようとしています。
高齢化が進む農業とその課題
日本の農業は、高齢化と担い手不足という深刻な問題に直面しています。農林水産省のデータによると、農業従事者の平均年齢は63歳を超えており、若い労働力が不足しています。このため、長時間にわたる重労働をこなす必要があり、特にトマトやキュウリなどの施設園芸では、収穫や作業で前かがみの姿勢を続けることが多く、慢性的な腰痛が常に付きまとう問題となっています。
また、夏場のビニールハウスは高温多湿になりやすく、熱中症の危険が常につきまとうため、従来の対策では十分な効果が得られませんでした。コルセットや簡易空調服が一般的でしたが、動きにくさや冷却性能が低いため、農作業の継続に対する大きな障害となっています。これらの問題は、離農を引き起こす要因の一つとなっているのです。
谷口さん家族の声
今回導入が行われた谷口学さんとその息子、貴彦さんからは、早くも効果の実感が寄せられています。谷口氏は、「収穫やトラックへの積み込み作業で腰への負担が大きかったが、EASY-LIFTを使用することで前傾姿勢が楽になり、腰の痛みが減りました。普段通りに動けるのがとても助かっています。」と感想を述べました。
貴彦さんも、「以前は常に前かがみだったが、Soft-Powerによって少し屈むだけでアシストを感じられ、作業後の疲労感が大きく変わりました。COOL-VESTを着ることで、汗の量も減り、両方の問題が一度に改善された実感があります。」と語っています。
マッスルスーツ Soft-Power®とは
「マッスルスーツ Soft-Power®」は、電気を使わないサポーター型のアシストスーツです。人工筋肉のアシスト技術を用いて腰の負担を約35%軽減します。そのため、製造現場や物流業務、介護、農作業など、腰に負担がかかるあらゆる場面で役立ちます。この製品は、身体にフィットする唯一のサイズがあり、高さは150cmから190cmまで対応しています。
マッスルスーツ Soft-Power EASY-LIFT
「マッスルスーツ Soft-Power EASY-LIFT」は、エントリーモデルで、腰負担を33%軽減できる製品です。310gの軽さで動きやすく、誰でも簡単に装着することが可能です。洗濯可能で取扱いも簡単と、多くのユーザー層に対応した魅力的な製品です。
マッスルスーツ COOL VEST®
また、2025年5月に発売された「COOL VEST®」は、ペルチェデバイスとファンによる二重冷却システムを採用しており、より効果的な暑熱対策を提供しています。最大8時間連続使用できるこの製品は、腰補助のアシストスーツと組み合わせても使用可能です。
まとめ
今回の導入は、農業に新たな技術をもたらし、腰痛や暑さと戦う農業従事者の助けとなる重要なステップです。イノフィスが提供する製品は、今後の農業の持続可能性を高め、新しい農業環境を作っていくことでしょう。これからも農業界の現場での成果が期待されます。