シェフラーがEICMA2024に初出展
今年11月7日から10日まで、イタリア・ミラノで開催される世界最大級のバイクイベント「EICMA2024」にて、シェフラーが初めて出展します。この展示会では「Mind.Set.Future.」というテーマのもと、二輪車及びサイドバイサイド・ビークル(SSV)向けの革新技術をお披露目します。シェフラーのブースはホール15のB26に位置し、電動化やコネクティビティといった市場の最新トレンドを反映した製品群が揃います。
拡大する市場への対応
EICMAでは、シェフラーが展開する多彩な製品ポートフォリオを紹介。具体的には、eバイク向けのチェーンレス駆動システム、低電圧電動スクーター、内燃エンジンを搭載したオートバイ向けの高効率コンポーネント等がラインナップに含まれます。シェフラーAGのパワートレイン&シャシー事業部CEOであるマティアス・ツィンク氏は、ヴィテスコとの合併により、二輪車とパワースポーツ事業の成長が期待されていると述べています。
世界の二輪車生産量は年間約7,000万台に達しており、2030年には8,000万台を超える見込みです。また、電動二輪車は同じく2030年までに倍増し、年間約3,000万台になると予想されています。シェフラーはこれらのニーズに応えるべく、各地域の特性に合わせた製品を展開しています。
新たなハイブリッドスクーターコンセプト
展示会では、シェフラーがスクーターメーカーKymcoと共同開発したハイブリッドスクーターコンセプトも初めて披露されます。このスクーターは、Kymcoの「DTX360」をベースに、小型の電動ドライブコントロールユニット(eDCU)を2台搭載しています。内燃エンジンと電動モーターの両方を、シェフラーのコントロールユニット「M4REK」がインテリジェントに制御します。これにより、リアルタイムで効率的なパフォーマンスが実現されます。
電動化トレンドへの対応
シェフラーは低・高電圧アプリケーション向けのターンキー技術も発表予定です。EICMAでは、48V駆動二輪車向けの統合型システムを展示。これにより、ユーザーは優れたコスト効率とコンパクトなデザインを享受できます。特にアジア市場での成長が見込まれる低電圧セグメントでは、その省スペース化が鍵となるでしょう。
高電圧セグメントでは、自動車事業で培った電動化技術を活用し、次世代の電動アクスルドライブ「EMR4」を展示します。この技術により、米国を中心としたパワースポーツセグメントでの高出力型ドライブ需要に応えることが期待されています。
コネクティビティの重要性
オフロード車や二輪車のコネクティビティ機能を推進する動きも強まっており、シェフラーはこの領域でも新たな統合型ソリューションを提供します。顧客はリアルタイムでメンテナンス情報や燃費、位置情報を把握したいとのニーズが高まっており、シェフラーはこの要求に応えるべく開発を進めています。また、2029年に施行される欧州のサイバーセキュリティ強化要件にも積極的に投資しています。
内燃エンジンの対応も
電動化が進む中でも、内燃エンジン型二輪車の生産は2030年までほぼ維持される見込みです。シェフラーは、これらのオートバイの効率改善に向けたコンポーネントの開発も継続しており、EICMA2024ではKTMのオフロードバイクに搭載されたコントロールユニット「M4C」を展示します。この小型で多機能なユニットは、エンジン管理の中心的存在として注目されています。シェフラーは従来型オートバイのシステムサプライヤーとしての地位を確立し、顧客と共に環境規制に適合した技術開発を進めていく考えです。
EICMA2024は、技術の革新を体感できる大きな機会です。シェフラーの最新技術にぜひご注目ください。