新規事業創出を目指すキヤノンMJの取り組み
2025年3月18日、キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)は、スタートアップ企業や社内起業家との協力を通じた新規事業創出を目的とした「spark.meアクセラレーションプログラム」の成果を報告する「Demo Day」を開催しました。このプログラムは、社会課題を解決する新しい価値の創出を目指しており、国内外から選ばれた10社のスタートアップがその成果を発表しました。
Demo Dayの概要
「Demo Day」では、参加スタートアップがキヤノンMJの社員から選ばれた事業開発アクセラレーターやプロモーターと共に、実証実験を通じた新たな共創サービスのアイデアを発表しました。審査基準として設けられたのは、募集テーマとの親和性、アイデアの新規性、そして社会的インパクトの3点です。厳正な審査を経て、4つの企業が「spark.me Award」を受賞し、そのうちの1社が最も優れたアイデアに贈られるBest spark.me Awardを獲得しました。
Best spark.me Award受賞企業
Best spark.me Awardを受賞したのは、アメリカのスタートアップ企業General Prognostics Inc.(共同創業者・CEO:松岡俊祐)です。この企業は、ウエアラブルデバイスを通じて心不全の悪化を早期に予測する技術を開発しました。受賞理由として、彼らの独自のアルゴリズムによる非医療機器としての利用可能性が挙げられました。心不全患者の急増に対し、医療費の削減と生活品質向上に寄与することが期待されています。
参加スタートアップの成果
このイニシアチブには、以下のように異なるテーマで活動するスタートアップが参加しました。
- - ヘルスケア・医療に関連する企業: General Prognostics Inc.が受賞し、ウエアラブルデバイスを活用した心不全の予測技術を披露。
- - レジリエンスをテーマにした企業: 日本GXグループ株式会社は、企業向けのGXコンサルティングとカーボン取引を行い、カーボンニュートラル化の新たな利用可能性を模索。
- - カルチャーテクノロジー分野: LIONROCKETは生成AIを利用したデジタルコンテンツ制作技術を紹介し、デジタルエコシステムの発展を目指しています。
- - 地方創生に関連するスタートアップ: ABCD株式会社が地域企業の海外進出支援を行うことを提案。
今後の展望
キヤノンMJは、spark.me Awardを受賞した企業のみならず、Demo Dayに参加したすべてのスタートアップ企業と共に、本格的な実証実験を実施していく方針です。このプログラムを通じて、優れた技術やプロダクトを持つスタートアップ企業との連携を深め、社会課題を解決する新たな事業の創出に挑戦していく予定です。
キヤノンMJは新規事業の創出に向け、2024年には専門の組織「R&B推進センター」を設立し、さらにコーポレートベンチャーキャピタルファンド「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」を設立しました。これはオープンイノベーションを促進し、未来の技術革新へと繋げる重要なステップであり、スタートアップ企業との関係構築は今後ますます重要になるでしょう。
最後に
成果報告会に参加したスタートアップの皆さんや審査員からは、多くの期待が寄せられています。審査員の一人であるグローバル・ブレイン株式会社投資グループの熊倉氏は、「キヤノンMJが示した未来志向のビジョンに期待したい」と語りました。これからの「spark.meアクセラレーションプログラム」が、5年後、10年後の大きな事業に繋がることを願うばかりです。