マーサーが発表したグローバル人材動向調査2026の重要な知見とは
マーサーの「グローバル人材動向調査2026」発表
マーサーは、最新の「グローバル人材動向調査2026」を発表し、世界中の約12,000人の経営幹部やHRリーダー、投資家、従業員から得た貴重な洞察を示しました。この調査は11年目を迎え、日本を含む複数の国で実施されています。
調査の背景と目的
この調査の主な目的は、企業が現代の競争環境で持続的なパフォーマンスを発揮する上で直面する課題を明らかにすることです。結果によると、労働力不足と組織内での目標やビジョンの不一致が、企業が達成すべき目標の障害となっています。マーサーのCEO、パット・トムリンソン氏は、この状況を「リーダーが成長を追求する際に、全てのチームが最大限に機能する必要がある」と述べています。
AIと人材の関係
調査では、AIが企業の成長に果たす役割にも言及されています。経営者の多くは、AIを利用したパフォーマンス改善を期待していますが、その実現には戦略的な仕事のデザインと従業員のスキル強化が求められると指摘されています。また、72%の投資家が「人とAIを結びつける企業は競争優位を得られる」と考えています。
ここで注目すべきは、AI導入の過程で生じる人材のパラドックスです。AIが人間の労働を補完する一方で、AIに必要なスキルを持つ人材は依然として不足しています。このため、リスキリングの重要性が今まで以上に強調されています。
リスキリングの重要性
マーサーのデータによると、54%の経営幹部が人材計画における最大の課題として人材不足を挙げ、そのうちの59%がデジタルスキルの確保が最も困難だと回答しています。AIとともに働くための新たなスキルを持つ人材を育てる必要が高まっていることが明らかになっています。この流れを受け、98%の経営幹部が今後2年間で組織設計の変更を計画しており、65%は従業員にリスキルや再配置が行われると予測しています。
経営層と従業員の乖離
調査結果からは、経営層、HR部門、従業員の間に乖離が生じていることも示されています。従業員の「充実している」と感じる割合が低下し、40%がAIによって仕事を失うことを懸念しています。このような環境では、従業員の生産性が低下し、燃え尽き症候群に直面するケースも増えています。これを放置すると、企業の持続的な成長が危ぶまれるでしょう。
新たなリーダーシップの必要性
現在、経営層はAI導入や自動化を重要視していますが、HR部門は優秀な人材の確保に注力しています。このように、異なる優先事項が組織のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。逆に言えば、デジタル化の進展に適応できる柔軟性のあるリーダーシップが求められています。
調査では、経営層の62%が自組織のAI活用への自信を持っていたが、2026年には46%に減少する見通しです。デジタルに精通したリーダーの育成が課題として浮上しつつあります。
マーサーの組織・人事コンサルティング部門プレジデント、イリヤ・ボニック氏は「リーダー達はビジョンを持っており、未来を設計するための手段を手にしていますが、実行が必要です」と述べています。社会の変革に適応できる企業こそが未来を勝ち取ることでしょう。
結論
この調査結果は、マーサーが提供する貴重な洞察を基に、企業が今後どのように変革していくべきかを示しています。AIと人間が共存する未来を見据えた人材戦略が求められる中、企業はより効果的な施策を講じる必要があります。
会社情報
- 会社名
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マーサージャパン株式会社
- 住所
- 東京都港区赤坂9丁目7番1号ミッドタウン・タワー
- 電話番号
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