アメリカ・ウィスコンシン州マディソンで1994年に創業したクラフトビールブランド「グレートデーンブリューイング」が、2024年1月に仙台市秋保に醸造所をオープンしました。創業30周年を迎え、初めての海外進出として選んだのは、日本の東北地方です。
仙台の醸造所では、アメリカと日本のクラフトビール文化を融合させたビール造りが行われています。醸造総責任者は、アメリカのビール業界で「Brewer of the Year」に選出された経験を持つロブ・ロブレグリオ氏。ロブ氏は2022年にアメリカから仙台に移住し、日本の文化に触れながら、新たなビールを生み出しています。
グレートデーンブリューイングのビールは、国際的なビールコンペティションでも高い評価を受けています。2024年に開催された「インターナショナル・ビアカップ」では、山形県のサクランボを使用した限定ビール「SAGAE CHERRY TRIPEL」が、Belgian-Style Fruit Beer部門で金賞を受賞しました。また、定番商品の「SCOTCH ALE」は、スコッチエール部門で銀賞を受賞しました。
「SAGAE CHERRY TRIPEL」は、山形県寒河江市の「ナポレオン」というサクランボを副原料に使用した、爽やかな甘さとほのかな酸味が特徴のチェリービールです。ベルギー酵母由来のバナナやクローブを思わせる香りが、さらに奥行きのある味わいを生み出しています。6ヶ月間タンクで熟成させたことで、濃厚な風味とアルコール9%のしっかりとした飲みごたえが実現しました。
一方、「SCOTCH ALE」は、7種類のモルト(麦芽)をブレンドすることで、複雑で絶妙な味わいを生み出しています。キャラメルやチョコレートのような風味が幾重にも重なり、リッチな味わいを堪能できます。
グレートデーンブリューイングは、今後も日本の文化を取り入れた新しいビールを開発していく予定です。仙台の醸造所は、見学も可能です。アメリカと日本のビール文化が融合した、新しいビールの世界を体験してみてはいかがでしょうか。