水稲有機栽培を革新する「アイガモロボⓇ」の新プロジェクト
2025年から2027年にかけて、日本の農業に新たな風を吹き込むプロジェクトがスタートします。その中心に位置するのは、水田用自動抑草ロボット「アイガモロボⓇ」の改良版、IGAM2です。この取り組みは、農研機構を代表機関とする「スマ農アイガモロボコンソーシアム」によって進められ、全国の11県30の農業経営体と共に水稲有機栽培の省力化を目指します。
スマ農アイガモロボコンソーシアムの目的
「IGAM2」の改良には、さまざまな省力的な技術が含まれています。具体的には、自動水管理装置や栽培管理支援システムとの統合を図り、生産現場での実証を進めていきます。これにより、従来の水稲有機栽培での負担が大きかった除草作業の時間を8割削減し、有機栽培面積の早期拡大を狙うのです。
2050年の有機農業目標
2021年に策定された「みどりの食料システム戦略」では、耕地面積の100万haを有機農業へと転換する目標が設定されています。そして水稲での有機栽培を進めるためには、除草対策が大きな課題となります。有機栽培は時間と労力を必要とするため、この部分をいかに解決するかが重要です。
IGAM2のさらなる進化
「IGAM2」は、2025年3月にその性能や使い勝手を向上させて販売されました。軽量化と低価格化が実現されており、中山間地域などでの導入がしやすくなっています。しかし、日本全国のさまざまな水田条件において広く普及させるためには、ブラシの改良や栽培技術の体系化が求められます。これにより、より多くの農家にとって「IGAM2」が身近な存在となるでしょう。
コンソーシアムの協力体制
「スマ農開発・供給事業」の実施においては、研究機関だけでなくメーカーや行政、農業生産者も参加し、協力体制を築いています。プロジェクトの進捗は、コアな技術革新だけでなく、実際の生産現場での試験を通じて確認されます。この連携によって、水稲有機栽培が新たな一歩を踏み出すことが期待されます。
未来に向けた展望
このプロジェクトが成功すれば、年々増加する農業従事者の負担軽減とともに有機農業の推進が加速します。さらには、持続可能な農業を実現するための新たな基盤が構築されるでしょう。全ての関係者が一丸となって取り組むことで、水稲有機栽培の未来を変革する可能性が広がります。
この事業に関心を持っていただければ、今後の展開にぜひ注目してみてください。それぞれの地域や環境に適した形で、アイガモロボⓇがどのような成果を上げていくのか、期待が高まります。