万城目学の新作『あの子とO』とは?
直木賞作家として知られる万城目学が、5月14日(水)に新潮社から新作小説『あの子とO』を刊行します。この作品は、ユーモアにあふれた3つのヴァンパイアストーリーを収めており、彼のファンたちにとって新たな楽しみとなることでしょう。
吸血鬼の魅力を日常に感じる
本作では、吸血鬼のキャラクターたちが日常生活の中に溶け込んでおり、作品全体に心地よい奇想天外な雰囲気が漂っています。万城目学特有のコミカルファンタジーの世界観は、読者を引き込む力に満ち溢れています。
どこか温かい感情が湧き上がるストーリー展開は、ファンタジー要素を楽しむだけでなく、思わずほろりとさせるような感動を与えてくれます。特に吸血鬼というキャラクターを通じて、様々な人間模様や葛藤を描くことで、幅広い読者層に受け入れられる内容となっています。
3つの魅力的なエピソード
1. 『あの子とO』
物語の中心となるのは、漫画家を目指す双子の小学生ヴァンパイア、ルキアとラキア。彼女たちは、見習いピッツァ職人オーエンにキャンプに連れて行ってもらうことをお願いし、楽しい時間を過ごすはずでした。しかし、楽しいはずのキャンプが突如として大事件に発展します。「吸血鬼であることを人間に教えてはいけない」という掟を守りながら、彼女たちはどのようにこの危機を乗り越えていくのか。
2. 『あの子と休日』
女子高生ヴァンパイアの嵐野弓子が主役。彼女は親友のよっちゃんと新聞部のスサミンと共にゲーム大会に参加することになります。青春の葛藤や友情が濃縮されたこの物語は、前作『あの子とQ』とつながりを持ち、より深い感情を呼び起こします。
3. 『カウンセリング・ウィズ・ヴァンパイア』
ダークな要素が際立つこのエピソードでは、毎年決まって同じ時期に嫌な夢を見るという佐久が主人公。日本のヴァンパイアの起源に迫りながら、夢の背後に隠された真実を探る彼の姿に、読者は引き込まれます。
万城目学について
万城目学は1976年に大阪府で生まれ、京都大学で法学を学んだ後、化学繊維の会社で働いていましたが、2006年に彼のデビュー作『鴨川ホルモー』で作家デビューを果たしました。2024年には『八月の御所グラウンド』で直木賞を受賞するなど、その名は広がっています。
まとめ
『あの子とO』は、吸血鬼の魅力と彼らの日常を描いた心温まる作品です。万城目ワールドのファンならずとも楽しめるこの新作を手に取ってみてはいかがでしょうか。彼の独自のユーモアと温かさが詰まった物語が、あなたを待っています。