野菜ジュースの血糖値抑制効果
2014-07-22 15:00:02
野菜ジュースの飲用が食後血糖値を抑制する可能性とそのメカニズム
野菜ジュースの飲用が食後血糖値を抑制する可能性
最近、日本食品科学工学会の第61回大会で発表される予定の研究により、野菜ジュースが食後の血糖値の急激な上昇を抑える可能性が示されました。この研究は動物実験を通じて行われ、実際に食事前または食事中に野菜ジュースを摂取することで、血糖値の上昇が緩やかになることに成功しました。
研究の背景
肥満やメタボリック症候群は、現代社会において大きな健康問題となっています。特に40代以上の男性の半数がメタボに分類されるというデータも存在しており、食事の管理が喫緊の課題とされています。食後の血糖値が急上昇することは、メタボの進行に繋がるため、その抑制が非常に重要です。
野菜には、食物繊維やクエン酸など、血糖値を穏やかにする成分が含まれており、その効果が近年注目されています。特に、野菜を糖質と一緒に摂取するのではなく、先に野菜を摂ることで血糖値の上昇が穏やかになることが分かってきています。そこで本研究では、野菜ジュースの影響を動物実験を通じて検証しました。
実験の内容
本研究では、ラットに対して野菜ジュースと糖質を同時に摂取させ、その後の血糖値の変化を評価しました。具体的には、16時間絶食後にラットに野菜ジュースとデンプン溶液を同時に摂取させ、その結果を比較しました。コントロール群はデンプンに加えて、野菜ジュース相当の糖液を摂取させました。
測定は摂取後30、60、120分に行い、血糖値の変動を確認しました。その結果、野菜ジュースを摂取した群は、摂取した60分後の血糖値がコントロール群に比べて有意に低い結果となり、血糖上昇曲線の面積も少なかったことがわかりました。このことから、食事中に野菜ジュースを摂取することで、食後の血糖値の上昇が緩やかになると考えられるのです。
食事前の野菜ジュースの効果
さらに、野菜ジュースを糖質を含むデンプン摂取の10分前に摂るとどうなるのかも検証しました。こちらでも、野菜ジュースを事前に摂取させた場合も同様に血糖値が低下した結果が得られました。60分後の血糖値は、野菜ジュースを摂取した場合も摂取しなかった場合に比べて有意に低い結果を示しました。これは、食前でも食事中でも、野菜ジュースを飲むことが血糖の急上昇を防ぐ可能性を示しています。
今後の課題
今回の研究結果はあくまで動物実験に基づくものであり、今後は人間に対して同様の効果が見られるかどうかの検証が必要です。また、血糖値を抑える成分の特定や、その作用メカニズムの解明も続ける必要があります。野菜ジュースを日常的に取り入れることで、より健康的な食事スタイルが実現できるかもしれません。
この研究の詳細は、2014年8月28日から30日に開催される日本食品科学工学会第61回大会で発表される予定です。今後の研究進展に期待が寄せられます。
会社情報
- 会社名
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カゴメ株式会社
- 住所
- 愛知県名古屋市中区錦3-14-15
- 電話番号
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052-951-3571