海洋ゴミ問題に立ち向かう「MORE企画」がNPO法人化へ

MORE企画がNPO法人化、海洋ゴミ問題に本格的に取り組む

静岡県の伊東市、伊豆市を拠点に活動する「MORE企画」が、2025年7月10日よりNPO法人化しました。これにより、更なる環境保全活動が期待されています。代表の白井ゆみ氏が率いるこの団体は、海洋ごみや街の美化を目指しており、年間で6トンを超えるゴミを回収している実績を持ちます。

1. MORE企画の背景と理念

MORE企画は、2021年にスクーバダイバーのメンバー3名によって設立されました。そのきっかけは、海洋ごみ問題の深刻化にあります。調査によると、毎年800万トン以上のプラスチックが海に流入しており、山や海での清掃活動を行うことで、少しでもその問題を緩和しようとしています。

「MORE」という名前は、Mountain（山）、Ocean（海）、River（川）、Earth（地球）の頭文字を取り、さらに「もっと綺麗に」という想いを込めています。彼らの活動の目的は、未来の世代にも美しい自然を残すことです。

2. 持続可能な水中清掃プロジェクトの展開

MORE企画の特徴の一つは、官民連携による持続可能な水中清掃プロジェクトです。参加するプロダイバーには謝礼金が支払われ、有償ボランティア制度を導入しています。これにより、経済的な負担を軽減し、活動の質が向上すると期待されています。また、企業や地域住民からの協力を得るため、協賛制度も整備されています。

清掃活動は、月に2回の山での不法投棄ゴミ回収と、月1回の水中清掃で行われています。地域の環境改善に貢献しつつ、未来の資源を守る取り組みは、多くの支持を得ており、さらなる拡大を目指しています。

3. 環境教育プログラムの充実

MORE企画は、環境教育活動にも力を入れています。2023年からは、ダイバー向けの体験学習イベントを毎年開催し、講演会や出張授業を通じて多くの人に環境問題の重要性を伝えています。これまでに30回以上の講演を行い、若者たちの環境意識を高める効果が見られています。

特に、講演を受けた中学生が独自に地域清掃団体を立ち上げるなどの成果が報告されており、次世代の環境意識を向上させる活動が実を結んでいます。

4. 高まる活動の期待

MORE企画の活動は、今後も拡大が見込まれています。NPO法人化を機に、新たな協力企業や支援団体とのネットワークを築き、持続可能な社会に向けた更なる取り組みを進める予定です。2026年には、伊豆半島全域を対象にした清掃活動も計画されており、さらなる成果が期待されています。地域に根ざした活動を通じて、環境問題への意識を浸透させることが彼らの使命です。