K-エンタメの新しい形
ビック「BIGC AI+」の発表
エンターテック企業であるビック(BIGC)は、K-エンタメ業界初のAIエージェント「BIGC AI+」のベータ版を発表しました。このサービスは、アーティストとファンとの架け橋となる革新的な工具であり、これからのエンタメ業界における可能性を示唆しています。
ビックのミッション
ビックは、アーティストIPのオンライン収益化を助ける「オールインワン・デジタルベニュー(All-in-one Digital Venue)」プラットフォームを展開しています。このプラットフォームでは、チケット販売やAIを活用したライブストリーミング、映像配信、ファンデータ分析など、多岐にわたる機能が統合されています。
最近では、CJ ENMやMBC、SBSなどの主要メディア企業と提携しながら、K-POPアーティストのプロジェクトに取り組んでいます。すでに224の国・地域に展開し、会員数は120万人を超え、その約80%が海外ユーザーであることが特徴です。
AI技術の進化
ビックは、AI技術を用いた様々な機能を通じて、ファン体験を革新することを目指しています。2023年にはリアルタイム自動字幕生成システムを発表し、12か国語に対応するライブ配信が実現しました。2024年には、観客の応援コメントを自動生成するAI機能や、映像の品質向上技術を導入予定です。
「BIGC AI+」の機能
「BIGC AI+」は、過去の実運用データを基に構築され、特にK-POPに特化したさまざまな機能を持っています。代表的な機能には、アーティストの音声をリアルタイムで認識して翻訳、字幕を自動生成するAI Captionがあります。また、ファンとのチャットでは、暴言や差別的表現を検知・校正する「アーティストプロテクター」機能も搭載されています。このサービスは、SaaS及びAPI形式で提供され、提携企業のサービスに容易に統合できます。
今後の展望
2025年にはクローズドベータテストを行い、AI技術をエンターテインメント業界全体に展開する計画です。これにより、K-POPを中心にグローバルファン体験を拡張し、K-エンタメ産業の競争力を高める狙いです。また、ファンゲームやグローバルコマースサービスとの連携を 통해、さらなる進化を目指しています。
ビックの展望
ビックのCTOであるキム・ジョンウ氏は、「AI技術は単なる自動化ではなく、アーティストとファンの感情的なつながりを拡張する道具です。これまでの経験をもとに、ビック独自の技術でK-エンタメのリーダーシップを確立していく」と強調します。彼の発言から、AI技術の導入がいかにK-エンタメ業界に革新をもたらすかが伺えます。
ビックは、今後もその技術を駆使して、アーティストとファンの新たな関係を模索し続けることでしょう。ファン体験の向上に寄与し、より多くの人々に感動を届けることに挑戦し続ける企業として注目されます。