話題の『ウーマン・トーキング』
2025-05-28 12:21:28

名著に取り上げられた『ウーマン・トーキング』の魅力と読みどころ

名著に取り上げられた『ウーマン・トーキング』の魅力と読みどころ



日本においても注目の的となっている、ミリアム・テイヴズの著作『ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択』。この作品は、NHK Eテレの人気番組「100分de名著」において、マーガレット・アトウッドによって絶賛されたことでも話題の一冊です。当記事では、その内容とおすすめの理由を詳しく掘り下げていきます。

作品の背景とあらすじ



本書の舞台は、キリスト教系団体メノナイトの村です。実際に2005年から2009年にかけてボリビアで起きた連続暴行事件を元にしたストーリーが展開されます。子どもを守りたいという強い思いを持った女性たちが、教団内で起きた大量レイプの真実に直面します。この恐ろしい事件は「悪魔の仕業」や「作り話」とされていましたが、実際は彼らの身内によるものでした。

事件が展開する中で、男性たちが保釈されている数日間に女たちが集まり、自らの未来をどう選択するのかを模索します。果たして、何もせずにやり過ごすのか、戦う道を選ぶのか、それとも村を離れるのか。彼女たちの会議、即ち「ウーマン・トーキング」から物語は動き出します。アトウッドがこの作品を「必読」とした理由が随所に散りばめられています。

今、読むべき理由



理由1: 100分de名著での話題性



NHK Eテレの「100分de名著」で取り上げられたことは、本作の大きな魅力の一つです。番組の指南役を務める鴻巣友季子氏が翻訳を手掛け、アトウッド自身がSNSでこの作品を称賛しました。彼女は本作を「驚異的で悲しく、心に響く小説」と表現し、今の女性文学の潮流がここに集約されていると強調しています。

理由2: 実際の事件を基にしたサスペンス



本書は、キリスト教系団体メノナイトの実在する事件を基にしているため、現実とフィクションの境界が曖昧になります。著者のミリアム・テイヴズは、メノナイト信徒の家系に生まれ育ったため、このコミュニティの価値観を深く理解しています。作品の中では、信仰の自由や女性の立場、さらには暴力に対する抵抗がテーマとして描かれ、普遍的な問題を考察させる深いメッセージが込められています。

理由3: 新しい「生まれつき翻訳」形式



本作は「生まれつき翻訳」という新しい文学形態を体現しています。メノナイトの女性たちは、教育を受けていないため、物語は彼女たちの声を男性の語り部であるオーガストを通じて描写されます。これにより、男女間の視点の違いや、フェミニズム的なテーマが多面的に語られ、読者に異なる価値観を体験させてくれます。

理由4: 映画化された話題性



本作は、第95回アカデミー賞脚色賞を受賞した映画「ウーマン・トーキング私たちの選択」の原作です。映画化により新たな視点が加わり、視覚的な体験を通じて物語の厚みを感じさせることができます。映画を見た後にこの本を読むことで、違った角度からの理解が得られるはずです。

まとめ



『ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択』は、現代のフェミニズムを考える上で欠かせない重要な作品です。その内容は、単にサスペンスの枠を超え、社会の本質について考察する一冊となっています。ぜひこの機会に手に取って、深い洞察と感動を体験してみてください。英語圏の文学や現代の女性問題に興味がある方にとって、必読の書と言えるでしょう。


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