高齢者の孤独を解消!デジタル近居サービス『ちかく』について
近年、デジタル技術の進化は私たちの生活を一変させていますが、特に高齢者にはその恩恵がまだまだ行き届いていないのが現状です。そんな中、株式会社チカクが開発しNTTドコモが提供する“デジタル近居”サービス「ちかく」が、2024年度のグッドデザイン賞を受賞しました。このサービスは、離れて暮らす家族同士のつながりを深め、高齢者が抱える孤独やデジタル・ディバイドの問題を解消するために設計されています。
サービス「ちかく」の特徴と仕組み
「ちかく」は、親と子どもがそれぞれの居場所から、まるで近くにいるかのようにコミュニケーションをとることができるサービスです。具体的には、親の家に設置されたテレビと子どもが持つスマートフォンを連動させ、専用アプリを通じてテレビ電話を行います。これにより、親はスマートフォンを操作することなく、テレビ画面を通じて子どもとリアルタイムで会話ができるのです。
特にこのサービスが注目されるのは、カメラやセンサーを用いた従来の一方的な見守りサービスとは異なり、双方向のコミュニケーションが可能な点です。親は子どもからの声を簡単に受け取り、見られているというプレッシャーを感じることなく、自然に会話を楽しむことができます。これにより、高齢者の心理的負担が軽減されます。
デザインの工夫と審査員の評価
「ちかく」のデザインも高く評価されています。特筆すべきは、テレビの大画面で家族の顔を見ながら会話ができる利便性と、操作が極めてシンプルだという点です。リモコンのボタンを一つ押すだけで、すぐに会話を始めることができるため、高齢者にも優しい設計です。また、サービスに必要なSIMカードも事前に内蔵されているため、特別な設定なしにすぐに使い始められるのも魅力です。
審査員からは、「プロダクト自体にボタンがなく、電源さえ入れればすぐに利用できる点は衝撃的」との評価を得ており、高齢者向けのデジタル製品への抵抗感を和らげるために工夫されたデザインが称賛されています。
社会的課題解決への取り組み
今後、超高齢社会が進む中で、高齢者の孤独やデジタル・ディバイドといった社会的課題はますます重要になっていくとされています。これは2040年までに1人暮らしの高齢者世帯が900万世帯に達する見込みであり、チカクはその解決に向けて、今後も革新的なサービスの提供を継続していく考えです。
「ちかく」は、まさにその取り組みの一環として、高齢者の生活品質向上に寄与することが期待されています。今後の展開にも大いに期待が寄せられています。最終的に、多くの高齢者がこのような技術を活用し、より豊かな生活を営むことができる社会を目指して、株式会社チカクは更なるサービス開発に邁進するでしょう。