看護師のUIJターン転職実態調査の結果
看護職に特化した求人・転職サービスの「レバウェル看護」が、全国の看護師438名を対象に行った「Uターン・Iターン・Jターン転職」に関する実態調査の結果が発表されました。本調査は、UIJターン転職を経験した看護師だけでなく、それを検討していない看護師も対象とし、転職の背後にある理由や成果を探るものです。
UIJターン転職の理由
調査によると、看護師がUIJターン転職を決断した主な理由の第一位は「実家や家族の近くで暮らしたかった」というもので、回答者の39.2%がこの選択を挙げました。次いで「ワークライフバランスを見直したかった」が26.3%、そして「希望条件に合う求人が地方にあった」が16.1%という結果に。興味深いことに、転職の際に配偶者やパートナーの事情が影響したという看護師は約半数に上り、「主なきっかけだった」が28.1%、「一部影響した」が18.0%という意見が寄せられました。
こうした結果は、看護師のUIJターン転職を単なる職場の移動ではなく、家族・パートナーとの暮らしや生活全体を見据えた選択であることを示しています。看護師免許を持つ職業特性による職業的な自由度が、こうした生活の選択を可能にしていると言えそうです。
転職後の満足度
次に、UIJターン転職後の満足度を調査したところ、「大変満足」と答えた看護師は10.6%、「やや満足」は29.5%と、合計で約40%が転職に対してポジティブな評価をしていることが判明しました。一方で、不満を持つ看護師は17.1%にとどまり、全体として転職への肯定的な傾向が浮かび上がりました。
特に「生活環境」を重視して転職した看護師のうち、家族との時間の増加や働き方の柔軟性に高評価をしている声が多く、満足度が高い傾向にありました。実際、最も多かった「家族との時間が増えた」という回答が39.6%、次いで「勤務時間や休暇の柔軟性が向上した」が27.6%、さらに「生活費が軽くなった」という回答も続きました。
給与減少と役割の課題
しかしながら、UIJターン転職には課題もあります。60%を超える看護師が「給与減少」を感じているという調査結果が出ており、47.5%が実際に「給与が下がった」と回答しました。物価が相対的に低い地方への移住にもかかわらず、給与水準の低下は多くの看護師にとって大きな懸念材料となっていることが示されました。また、職場環境においても「医療提供体制」が不十分であるとの回答が24%を占め、キャリアの形成機会に不安を持つ看護師も多く見られました。
UIJターン転職の意義と今後の展望
大学を卒業した後に認定される国家資格を持つ看護師にとって、UIJターン転職は、家族との暮らしを見直す貴重な機会ですが、給与減少などのリスクも伴います。このような選択を可能にするために、レバウェルでは地域間の看護師の移動を促進し、その実態を正確に把握したうえで、転職後のサポート体制を強化していく必要性が重要です。
レバウェル看護は、今後も看護師一人ひとりのキャリアと生活の質を考慮し、地域の特性やニーズに応じた最適なマッチングを支援し、医療業界全体の人材不足や偏在問題の解消に寄与していくことでしょう。