自動車整備士はどのように受け止められているのか?
2025年7月、関東工業自動車大学校は、中学生と高校生の保護者107名を対象に、自動車整備士に関する意識調査を実施しました。この調査によると、クルマやバイクへの興味が低いことが明らかになり、特に女子の保護者からは「まったくない」との回答が多く見られました。一方で、男子中学生や高校生層には一定の興味を示す声があり、この結果から、家庭内環境や実体験が子どもたちの関心に影響を与えていることが伺えます。
子どもたちとものづくりの関係
調査では、お子さまが「ものづくり」や「機械いじり」に触れる機会の有無が重要な要因であることも分かりました。全体の約65%の家庭が「まったくない」「ほとんどない」と回答し、現代の生活では子どもたちがDIYの文化から遠ざかっていることが示されています。その中、クルマに興味を持つ子どもたちは、身近な体験を通じて関心が高くなる傾向があり、自転車の修理やラジコンの改造を通じて興味を育んでいる様子が見受けられました。
クルマ関連イベントへの関心
休日に親子で参加できる「クルマ関連イベント」についての意向を尋ねた結果、約55%の家庭が「ぜひ参加したい」「興味がある」と答えたことから、イベントの重要性が浮き彫りになりました。特に、親子での体験ができるなら参加したいという回答が多く、子どもたちの将来の職業選択に向けた良いきっかけが期待されます。しかし、イベント内容によって興味の差が生まれるため、初心者向けの魅力的なプログラム作りが求められます。
求められる体験型プログラム
参加したいイベント内容としては「タイヤ交換やオイル交換体験」や「カスタム・ペイント体験」など、実際に手を動かすプログラムが最も人気でした。また「プロ整備士との対話」や「学校見学+整備体験」といった、職場環境を直接体験できる機会も高評価でした。
一方、座学だけの内容では「つまらなそう」との意見が多く見られ、体験型イベントが好まれる傾向にあります。遊びながら学ぶ場を提供することが、将来の仕事への理解を深める鍵となるでしょう。
自動車整備士へのイメージ
最後に、自動車整備士に対する印象について確認したところ、「体力が必要そう」「長時間労働になりそう」「専門的で難しそう」というネガティブな意見が多かったものの、一方で「手に職がつく」「かっこいい」といった肯定的意見も存在しました。特に、実際に体験した子どもたちは、より良い印象を抱く傾向がありました。
結論
この調査から、自動車整備士という職業への興味は「知らないから興味が持てない」「誤解しているから選ばない」ことが多いと分かりました。その一方で、実際の体験を通じて、ポジティブな印象につなげる可能性も秘めています。今後、教育環境や企業が連携し、職業体験の場を提供することが求められています。整備士の仕事を「自分ごと」として考えられるようにするため、さらなる関与が必要です。