サントリーのCO2回収技術
2024-09-24 22:28:12

サントリー白州蒸溜所、CO2高純度回収技術を実証し環境配慮を強化

サントリー白州蒸溜所におけるCO2高純度回収技術の実証



サントリーホールディングス、東京ガス、そして東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGE)は、白州蒸溜所において画期的な技術実証を行いました。最先端の「固体吸収法」を用い、蒸溜過程で発生した低濃度の二酸化炭素(CO2)を99.5%以上の高純度で分離・回収することに成功したのです。これは日本の酒類・飲料業界において初めての取り組みであり、その意義は計り知れません。

固体吸収法とは



固体吸収法は、CO2を選択的に吸着するアミンを用いた多孔質材料を活用する技術です。この方法では、60℃という比較的低温の環境下でもCO2の回収が可能です。また、将来的には工場で発生する未利用の低温廃熱を利用することで、さらなるエネルギー効率の向上が期待されています。

現在の環境問題を考える上で、これらの技術は大いに注目を集めています。CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)により、排出されたCO2を回収し、有効に再利用することで、温室効果ガスの排出量削減に寄与する可能性があります。

実証プロジェクトの詳細



今回の実証試験では、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)および三浦工業と協力し開発した小型のCO2分離・回収装置が用いられています。この装置は、アミンを担持した固体材料を使用しており、実証に際しては国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の資金提供を受けて改良が施されたものです。

サントリーは、このプロジェクトにおいて実証施設の提供や支援を行い、試験環境の整備に貢献しています。また、回収されたCO2の品質をも分析し、実証データの検証にも力を入れています。

企業間の協力と視点



サステナビリティ経営推進本部の藤原正明常務執行役員は、「2050年までにバリューチェーン全体でGHG排出の実質ゼロを目指しており、CCUはその達成に寄与する技術として注目しています」と述べています。2030年頃からは、洋酒産業における環境負荷軽減のため、再生可能エネルギーの利用や次世代技術への投資が重要であると指摘されています。

一方、東京ガスエンジニアリングソリューションズの岡本和久常務執行役員も本プロジェクトに対する期待を寄せ、「脱炭素社会に向けた多様なアプローチを推進していく」との意気込みを示しています。

未来への展望



今後、回収したCO2をどのように有効利用していくのかが重要な課題となります。サントリーや東京ガスは、この取り組みを通じてカーボンニュートラル社会の実現に向けた活動を進めていく考えです。CO2の資源循環を検証し、今後の生産工程における適用を視野に入れた具体的なプランを策定する予定です。

このように、サントリー白州蒸溜所によるCO2高純度回収は、環境への配慮を実現するための画期的な一歩として、今後も大いに期待される技術革新になるでしょう。持続可能な未来に向けた彼らの挑戦は、他の企業や業界にも良い影響を与えることが期待されます。


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会社情報

会社名
サントリーホールディングス株式会社
住所
大阪府大阪市北区堂島浜2-1-40
電話番号

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