焼酎かすの電池
2020-01-15 10:56:28
焼酎かすから生まれる次世代電源が鹿児島から世界へ
焼酎かすから生まれる次世代電源が鹿児島から世界へ
鹿児島県から新たな電源技術が誕生することが期待されています。それは、焼酎の製造過程で生じる「焼酎かす」を活用した電池の開発です。福岡工業大学の田島准教授が率いる研究室が進めるこのプロジェクトは、環境に優しく、実用的なエネルギー源としての可能性を秘めています。
焼酎かすからの活性炭製造
焼酎かすは、これまで主に酒造メーカーにおいて廃棄物として扱われてきました。しかし、田島准教授の研究によって、焼酎かすを活性化させ、優れた電極材料として利用可能であることが明らかとなりました。具体的には、焼酎かすに含まれる有機性廃棄物を「賦活」と呼ばれる過程を経て加工し、活性炭を生成する方法です。この活性炭は多数のイオンを吸着できる特性があり、電池の電極に適しています。
次世代電池の開発
田島研究室の特許技術を基に設立された「株式会社BlueForce」では、焼酎かすから作成した活性炭を電極に使用した「金属空気燃料電池」と、同じく焼酎かす由来の活性炭を用いた「電気二重層キャパシタ」を組み合わせています。この新しい電源ユニットは、高エネルギーを安定的に供給することができ、環境にも配慮された設計です。
この次世代電池は、高いエネルギー密度と長寿命を誇り、特に最近の環境規制が厳しくなっているアジア市場でのニーズが見込まれています。BlueForceは、この電源ユニットを鹿児島から世界へと提供していく構想を抱いています。
企業のビジョン
株式会社BlueForceは、2023年4月に設立され、鹿児島県内の酒造メーカーから提供される焼酎かすを利用することで、未利用資源から環境に優しいエネルギーを生み出すことを目指しています。また、国内の他に中国などの企業に厳しい環境規制が求められる市場をターゲットにしています。これにより、新たな雇用創出と地域活性化を目的にした産業の確立を図っています。
さらに、BlueForceの代表取締役社長である川畑俊彦氏は、電源デバイスの製造に向けた新工場を設立し、今後さらなる研究と生産に取り組む意向を示しています。これにより、焼酎かすを利用した電源デバイスがより多くの市場で流通することも期待されています。
鹿児島の可能性
焼酎かすを活用した新しい電源技術は、鹿児島の地元資源を最大限に活用しつつ、環境問題にも適応したビジネスモデルです。地域の酒造メーカーとの連携を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することが期待されています。今後の展開が楽しみです。
会社情報
- 会社名
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福岡工業大学
- 住所
- 福岡県福岡市東区和白東3丁目30-1
- 電話番号
-
092-606-0607