環境省の再生プラスチック事業計画の全貌
環境省の「令和7年度補正予算」において、自動車等向けの再生プラスチックの安定供給体制を構築するための「FS(Feasibility Study)事業」に、12社のコンソーシアムが採択されました。これにより、デジタル技術を取り入れつつ、廃プラスチックの回収から再生材の製造、供給に至るまでを一体的に考えたモデルを検証することが期待されています。
背景
自動車産業においては、特に欧州での「ELV規則案」などの影響から、再生プラスチックの需要が急速に高まっています。しかし国内では、供給の不足や品質のばらつき、コスト競争力、トレーサビリティの欠如など、複数の課題が浮き彫りになっています。2041年には自動車向けの再生プラスチック供給量が約6.9〜9.5万トンになると試算されていますが、20万トンという目標に対しては大きなギャップがあるとされています。このため、再生資源の回収から材料製造、物流、需要家までのサプライチェーン全体での協力が不可欠です。
事業概要
本事業においては、自動車由来や容器包装、家電、産業廃棄物など、多様な由来の廃プラスチックを集約し、自動車産業向けに安定した品質と供給量を確保するための検討が行われます。具体的には以下の項目が検証されます:
1.
再生資源の調達ポテンシャルの把握
2.
集約拠点の機能・設備・処理フローの検討
3.
再生原料の品質確保に向けた設計手法の研究
4.
デジタル技術によるトレーサビリティーと情報管理基盤の検討
5.
物流効率化の手法の検討
6.
事業スキームおよび事業性の検討
各社の役割
参加する企業はそれぞれ特定の分野で重要な役割を担っており、以下のような分担が行われています。
- - 材料設計と配合調整:石塚化学産業、いその、近江物産、タイボー、八木熊など
- - 廃プラスチックの回収・選別・再資源化:J-CIRCULARS、大栄環境、トーエイ
- - 物流の効率化:カネヨシ
- - デジタル技術に関するコンサルティング:アクシリア・コンサルティング、資源循環システムズ、BIPROGY
目指す未来
本事業の特徴としては、様々な由来からの廃プラスチックを統合し、安定した供給を実現するモデルを目指しています。また、自動車OEMとの取引実績を活かし、最適な配合での再生材開発に取り組みます。さらに、サプライチェーン全体を見える化し、多様なステークホルダーが参画することで、より効率的なモデルを実現していくことが期待されます。
デジタルと資源循環
デジタル技術を活用し、廃プラスチックの物性データを整理することで、品質の均一化と安定供給を目指します。また、市民からのプラスチック資源を集約し、自動車産業における有効活用が進められることで、資源循環への理解促進と意識の変革が期待されています。
まとめ
この取り組みは再生プラスチックの供給体制を強化し、持続可能な社会の実現に寄与する重要な一歩です。今後の進展に注目が集まります。