西宮市の灯台文化再発見プロジェクト
兵庫県西宮市に位置する「大関酒造今津灯台」は、日本最古の現役民間灯台として知られています。この灯台を核にした新たなプロジェクトが始動しました。その名も「今津灯台歴史文化再発見コンソーシアム」。このコンソーシアムは、大関株式会社や地域のマーケティング会社株式会社シードと共に立ち上げられ、西宮市の誕生100周年を記念してスタートします。
プロジェクトの目標
本プロジェクトの中心的な目標は、今津灯台を地域の誇りとして再定義し、地元の酒文化や歴史を国内外に伝えていくことです。実際、今津灯台は1810年に建設され、創業家の長部家五代目によって私財を投じて作られたことに由来しています。この灯台が建てられた背景には、灘の酒を江戸に運ぶ多くの船が出入りしていたことがあります。今津灯台は200年以上にわたり「酒と文化を運ぶ希望の灯」として人々に親しまれてきました。
プロジェクトの特色
このプロジェクトは、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環として実施され、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こします。プロジェクトの全体像は、灯台を通じて地域、異業種、国内外を結びつけ、新たな海洋体験を創出していくことにあります。
2025年度の具体的な実施内容
1. 基礎調査の実施
今年度は、今津灯台に関連する地域資源を精査することから始まります。地元の関係者へのヒアリングや文献調査を通じて、福應神社の「船だんじり」などの伝統行事や文化財を洗い出し、地域文化を反映させるツアーやコンテンツを develop します。また、西宮神社や能の「高砂」にも歴史的な関連があります。これらの文化的要素を浮き彫りにし、今津灯台が築かれた背景を明らかにすることが期待されています。
2. バスツアーの造成とテストツアー
次に、西宮神社や大関株式会社、西宮能楽堂などを巡る文化・歴史コースを設計します。このルートでは、地域の歴史や文化を探求するための「謎解き」要素も取り入れられ、最終的に今津灯台に至る形をとります。テストツアーも実施され、国内外の参加者からのフィードバックを得る予定です。
3. 移動式居酒屋の企画
今津灯台は交通量が多い道路に囲まれ、アクセスが難しいという課題があります。そこで、移動式居酒屋を検討し、灯台から直接人々にアプローチしようとする計画です。今津灯台の焼板杉を利用して、訪れる人々に地域の酒文化を体験してもらうことを考えています。
このプロジェクトを通じて、今津灯台は単なる文化財ではなく、地域と人々を結びつける現役の拠点へと進化していくのでしょう。これからの展開がますます期待されます。地元企業、大関株式会社や市との連携により、西宮市の文化や歴史が再発見される日が待ち遠しいです。
参加団体の紹介
ここで、コンソーシアムに参加している主な団体を紹介します。
- - 大関株式会社 1711年に創業し、清酒を中心に地域文化との連携を重視している企業です。
- - 西宮市 酒造りのまちとして知られ、今津灯台や西宮神社など多くの地域資源があります。
- - 株式会社シード 静岡県に拠点を持つ企業で、地域資源の魅力を可視化することを得意としています。
この取り組みが地域に新たな光をもたらし、未来の観光資源として育つことが期待されています。