自尊心を守る新時代の人間関係バイブル
2026年6月12日(金)、株式会社KADOKAWAから、臨床心理士の田所俊作氏が執筆した新書『分かり合えない人をうまくかわす技術』が発売される。この本は、職場の上司や家庭内のパートナー、義理の親など、「簡単には離れられない人間関係」に苦しむ多くの人々へ向けたものである。
人間関係での苦悩を軽減する一冊
田所氏によれば、8年にわたり心理支援に従事してきた経験を元に、「戦わなくても、変えなくても、責めなくても大丈夫」とした原則を基にした境界線の育成方法を提案している。私たちは往々にして「話せば分かる」と期待しがちだが、この考え方が時に巨大なストレスになることも少なくない。実は、分かり合えない相手との関係は構造的な違いによるもので、相手を変えようとする努力は徒労に終わることが多いのだ。
この本が提示するのは、まず期待を手放すこと。このプロセスが、自己回復への第一歩となり得る。自分のペースで、自己の心を大切にしながら相手と向き合う姿勢が求められるのである。誠実であるがゆえに分かり合おうと努めることが、時には逆効果になることもあると訴える。
身体の言葉を尊重しよう
さらに、田所氏は最新の心理学に基づいた身体の反応についても言及している。境界線を引くことが難しいと感じるのは、意志の弱さが原因ではなく、私たちの脳が生存本能と正論の優先順位を無意識に判断するからである。脳が生存を第一に考えることで、反射的に自らを守ろうとする反応が起きる。この現象を理解することで、自己を責める悪循環から抜け出へ導く方法が示されている。
無理なく自己の境界線を育てる
本書では、境界線を「自分を大切にするための輪郭」として捉え、日々の「快・不快」の違和感に気づくことから始める方法が解説されている。また、「バウンダリーワーク」と呼ばれる5つのステップが、臨床現場でも実践されている技法とともに紹介される。読者は相手との同じ土俵に立つことなく、自分の自尊心と人生の舵を守るための賢い選択肢を得ることができる。
こころを守るための技術
本書は、単なるアドバイスにとどまらず、実生活に活かせる心のケアを提案しており、読者が自己の状況に応じた実践を行う手助けとなる。
書籍のもくじには、「なぜ、あの人といると疲れるのか」といった問いかけから始まり、境界線を越えさせてしまう理由や、境界線を「引く」のではなく「育てる」ための具体的な方法が含まれている。これにより、読者はあらゆる人間関係における課題を克服し、より良いメンタルヘルスを手に入れるための知恵を得ることができるだろう。
田所俊作氏について
田所俊作氏は、臨床心理士・公認心理師として活動しており、こころのケア研究所 SHINKAの代表カウンセラーである。大手製薬会社での勤務経験を経て、心理職へと進み、8年間の臨床経験を有する。心理検査や心理カウンセリングを行いながら、認知行動療法やスキーマ療法を通じて、心のケアに関する知見を広めている。
この新書は、2016年から続く彼の活動を基にした第一歩とも考えられ、心理的な壁に直面する多くの人々にとって希望の光となることであろう。ぜひ、この一冊を手にとってみてはいかがだろうか。