KDDIとグローバル・ブレイン、新たなファンド設立
KDDI株式会社とグローバル・ブレイン株式会社が共同で設立した「KDDI Open Innovation Fund V」(以下、KOIF V)が注目を集めています。この新しいファンドは、特にAIやDeep Tech分野におけるスタートアップ企業への投資に注力し、次世代のビジネス創出を目指しています。
背景:スタートアップ支援の強化
これまで、両社は2012年からKDDI Open Innovation Fundを通じて、約400億円を国内外の有望スタートアップ150社に投資してきました。これによりAI、IoT、フィンテック、データマーケティングといった多様な分野でのイノベーションを促進し、日本のスタートアップエコシステムの発展に寄与してきた実績があります。KOIF Vの設立は、これまでの活動の延長として位置づけられています。
KOIF Vの特徴と目的
KOIF Vは、運用総額が50億円と予定され、投資期間は10年間です。主にAIやDeep Techといった先端技術に携わるスタートアップが対象となり、KDDIの新規事業の種となる企業への支援が行われる予定です。無限責任組合員にはグローバル・ブレインが名を連ねており、有限責任組合員としてKDDIがその役割を果たします。
目指すビジョン
この新ファンドの設立を通じて、KDDIは日本国内でのユニコーン企業の創出を狙っています。ユニコーン企業とは、設立から1年以内に評価額が10億ドルに達するスタートアップを指し、これを目指す企業の支援を行うことで、日本の経済成長に寄与するという意図があります。
■KDDIの事業内容
KDDIは、1984年に設立され、電気通信事業を中心に展開しています。東京の飯田橋に本社を構えるこの企業は、AIを活用したさまざまなサービスを提供し、日本国内の通信事業をリードしています。KDDIの代表取締役社長である松田浩路氏は、今後のスタートアップ支援の重要性を強調し、このファンドがもたらす可能性について期待を寄せています。
グローバル・ブレインの役割
一方、グローバル・ブレインも1998年の設立以来、ベンチャーキャピタル事業を通じて多くの企業に投資を行ってきました。渋谷に本社を置く同社は、KOIF Vの運営において、投資判断や経営支援、IPO支援といった幅広いサービスを提供し、ステップアップを目指すスタートアップに寄り添う形でのサポートを行います。代表取締役社長の百合本安彦氏は、このファンドの意義を語り、スタートアップ企業の成長がいかに重要かを強調しています。
まとめ
KOIF Vの設立は、AIやDeep Techといった分野のスタートアップ支援を強化する新たな一歩を示しており、特に日本のスタートアップエコシステムにおいて重要な役割を果たすことは間違いありません。今後、このファンドによって日本発のユニコーン企業の誕生が期待される中で、KDDIとグローバル・ブレインの取り組みに目が離せません。