近年の量子コンピュータの進化により、現在使われている暗号技術に対する不安が高まっています。このような背景を受けて、QNS Servicesは、企業の暗号利用状況を把握し、ポスト量子暗号(PQC)への移行をスムーズに行うためのツール「CipherLens」のトライアル提供を開始しました。このツールは、QNS Servicesの関連会社であるMaplecoloが開発し、日本国内での導入支援をQNS Servicesが行う形となります。
PQCへの移行の必要性
量子コンピュータの研究は急速に進展しており、それによって現在広く用いられているRSAやECCといった公開鍵暗号方式が将来的に解読される危険性が指摘されています。米国国立標準技術研究所(NIST)でも耐量子暗号の標準が進められており、各企業や団体は段階的にこの新しい技術に移行することが求められています。
しかし、現実には多くの組織が多様な環境(オンプレミスやクラウド)の中で、どのシステムでどの暗号がしか使用されているのかを把握しきれていないのが現状です。そこで、PQCへの移行に先立ち、まずは「クリプトインベントリ」を実施することが重要な課題となっています。
CipherLensの機能と特長
「CipherLens」はネットワーク上の暗号通信をパッシブに観測し、その暗号アルゴリズムの利用状況を自動的に検出・可視化します。具体的には、TLSやIKEなどのハンドシェイクの情報を解析することで、PQC移行計画の策定に必要な基礎情報を提供します。
自動検出と継続的可視化
既存のネットワーク環境に対して影響を与えることなく、暗号利用の状況を把握できます。特に、暗号方式の更新や設定変更が頻繁に行われる場合でも、継続的な可視化によって前提条件の精度を維持できます。
耐量子リスク評価
NISTのPQC標準を基に、検出された暗号方式を評価し、分類します。これにより、移行対象の洗い出しや影響範囲の把握、対応の優先順位付けに役立つ情報を提供します。
柔軟なポリシー設定
組織ごとのコンプライアンス要件やリスク許容度に応じて、評価基準や分類ルールをカスタマイズすることができます。これにより、各社のセキュリティ方針に合った運用設計を支援します。
監査支援
PCI-DSSやHIPAA、SOC 2などのフレームワークにおける暗号要件への対応状況を整理し、監査向けの説明や報告用レポート作成も支援します。
トライアルプログラムについて
QNS Servicesは、2026年6月に予定されている正式な商用リリースに先立ち、国内企業や団体向けにトライアル提供を開始しました。早期に暗号の棚卸やPQC移行計画を進める方々に対して、実環境での定義証明(PoC)を通じて評価を行い、本格導入に向けたリスク評価もサポートします。
さらに、本製品の国内展開を推進するため、SIerやMSSP、セキュリティベンダー、コンサルティング企業など、パートナーとの連携を強化し、販売・導入パートナーを広く募集しています。興味がある方は、QNS Servicesまでお問い合わせください。
詳細な問い合わせは、
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(注:記載の会社名や製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。)