新日本製薬、名古屋大学と共同研究で肌の浸透性を向上させる技術を発表

新日本製薬、革新技術を発表

新日本製薬株式会社（以下、新日本製薬）は、国立大学法人名古屋大学および同大学の関連素材企業、合同会社BeCellBarとの共同研究を通じて、皮膚の浸透性を高める革新的な技術の開発に成功し、特許を取得しました。この研究は、皮膚の最外層である角質層下部に存在するタイトジャンクション（以下、TJ）に焦点を当てて進められました。

研究の概要

タイトジャンクションとは

タイトジャンクションは、皮膚の細胞間を接着し、バリア機能を強化する役割を果たしています。この機能により、水分の蒸発を防ぎ、外部からの異物の侵入を抑制しますが、同時に化粧品成分の浸透を阻害することもあります。今回の研究では、このバリア機能を一時的に緩和させることで、成分の浸透性を向上させる方法を探求しました。

研究の背景と目的

新日本製薬は長年にわたり、美しい肌を保持するためにはバリアを高めることだけでなく、成分を効果的に肌に浸透させることが重要であると認識してきました。研究の結果、フェルラ酸およびセンブリエキスという成分がタイトジャンクションの緩和に寄与することが明らかになりました。

研究の結果

数十種類の成分の中から、皮膚透過性を高める効果があると確認されたのは、フェルラ酸とセンブリエキスです。これらを使用した実験では、それぞれの添加によってクローディン（CLDN）というタンパク質の量が減少し、タイトジャンクションの透過性が向上しました。具体的には、分化誘導したヒト表皮角化細胞（NHEK）に対する実験結果があり、次のような変化が観察されました。

フェルラ酸の効果

フェルラ酸を添加した場合、1時間後には蛍光強度が19％、6時間後には44％増加しました。これにより、TJの透過性が飛躍的に向上したことが確認されました。

センブリエキスの効果

センブリエキスも同様に効果を示し、6時間後には蛍光強度が17％増加する結果でした。この研究により、両成分の皮膚透過促進効果が実証されたのです。

今後の展望

新日本製薬は、この技術を自社のスキンケアブランドである『パーフェクトワン』や『パーフェクトワンフォーカス』などに活用していく予定です。美と健康の研究開発において、今後も新素材の探索や機能性研究を継続し、さらなる商品開発に取り組んでいく方針です。特許の登録日も2025年6月3日と決定しており、これからの展開が期待されます。

会社情報

新日本製薬は、福岡市に本社を置く企業で、化粧品、健康食品、医薬品の開発と販売を行っている。代表者はCEOの後藤孝洋で、1992年に設立されました。さらに、同社は『スマートライフサイエンス』という理念の下、健康と美に関する研究に注力し、大学との共同研究やパートナー企業との連携を強めていく姿勢を示しています。

新日本製薬の最新情報は、公式サイトからも確認することができます。