2025年上期の東京都心オフィス市場動向
はじめに
東京都心部のオフィス市場は、様々な企業の移転動向を映し出しています。2025年上期のデータに基づき、オフィス市場のトレンドを深く掘り下げてみましょう。三幸エステート株式会社と株式会社ニッセイ基礎研究所は、共同でオフィス市場に関する研究を進めており、その成果を踏まえたすべての情報をお届けします。
オフィス需要の現状
2025年上期の東京都心5区におけるオフィスの成約面積が47.0万坪に達し、前年同期比で3.4%の増加となりました。この成長は、企業の業績回復や人材確保、事業拡張を背景にしたものです。特に竣工済みビルにおいては40.8万坪が成約され、前年よりも2.5%増加しています。一方で、未竣工ビルの成約面積は6.2万坪とマイナスの動きを見せており、供給には若干の不安が残ります。
オフィス拡張移転DIの推移
オフィス拡張移転DIは、企業のオフィスの拡張意欲を示す指標です。このDIが基準値の50%を上回れば拡張意欲が高いことを、下回れば縮小意欲が芳しくないことを意味します。2025年第1四半期に64%に低下したものの、第2四半期には69%に回復。これは堅調なオフィス需要を示唆しています。
各業種別の動向
業種別で見ると、特に不動産業や物品賃貸業は77%という高水準を維持していました。製造業や卸売業・小売業もそれぞれ69%、68%と底堅い結果を示しています。しかし、情報通信業は48%にとどまり、移転件数の中で縮小移転が増えている点は注目に値します。コロナ禍以降もこのトレンドは続き、立地やビルグレードの向上を目指した転換が見られます。
ビルクラス別の需要
ビルクラス別のデータでは、AクラスとBクラス共に72%を記録し、Cクラスビルが76%でした。特にAクラスビルは空室率が急落し、2025年第2四半期には2.3%まで低下しました。これにより、オフィス需要は強固なものとなり、タイトな市場は今後の賃料上昇にも影響を与えるでしょう。
今後の展望
総じて、2025年上期の都心オフィス市場は底堅い動きを見せています。企業の拡張意欲は高く、特に伝統的産業の動向が重要です。オフィス需給のタイト化が進む中、賃料の動向や市場の反応に対する注意が求められます。インフレ環境下での賃料上昇がリスク要因となるか否かが、今後注視すべきポイントです。
結論
東京都心部のオフィス市場は、安定した需要と共に変動が見られます。成約事例の分析を通じて、多くの企業がオフィスの移転や拡張を意図していることがわかります。今後もこの動向が続くことに期待が寄せられます。