ファーマインド大分農園、和ナシ生産の新時代
全国規模に展開する青果流通の会社、株式会社ファーマインドが、日本最大級の和ナシ栽培面積を誇る「ファーマインド大分農園」の設立を発表しました。2024年4月の開業を予定し、国東市での本格的な生産開始に向けて意気込んでいます。その栽培面積は2033年2月までに18ヘクタールに拡大される予定です。
農業活性化の鍵となる大分農園
ファーマインドは高品質な青果を効率的に生産するため、持続的な農業モデルの確立を目指しています。この取り組みは、日本の食料自給率を向上させるための戦略の一環でもあります。特に大分県における「園芸団地化プラン」に基づいて進められる大規模な和ナシの生産は、地元経済の発展にも大きく寄与することでしょう。
また、佐藤樹一郎大分県知事や松井督治国東市長との間で、参入協定が締結され、地元の農業の発展に向けた具体的な協力体制が整いつつあります。
国内果樹生産の新たな流れ
最近、国内において果物の需要は確実に増加していますが、一方で栽培面積は減少傾向にあります。これは多くの農家の高齢化が進行し、新たな人材がなかなか参入できないためです。ファーマインド大分農園はこのような状況に対抗し、幸水や豊水などの人気品種を大規模に栽培し、安定供給を目指すことで日本の果樹市場に新風を吹き込む狙いです。
次世代農業を支える技術の導入
此度、大分農園では「ジョイントV字樹形」と呼ばれる、効率的な栽培方法を用いることになります。この手法は、従来の栽培法を進化させたもので、樹形がV字型に改良されることで作業の効率が格段に上がります。結果として、身体的な負担が軽減されるため、年齢や性別を問わず多様な人材が農作業に従事することが可能となります。
産地リレーと青果供給の安定化
大分農園は、既存の茨城農園に続く、ファーマインドグループにおけるナシ栽培の新たな拠点です。このようにして大規模な農園で品種リレーを実現することにより、より安定したナシの供給を図ります。特に、全国に広がる物流ネットワークを駆使し、生産者や地元JAと連携を深めることで、鮮度を保った青果物を全国に届ける体制を整える計画です。
未来に向けた展望
株式会社ファーマインドは、青果物の生産および流通の総合プラットフォームを確立することで、生産者にもメリットを還元し、地元経済の活性化に貢献したいと考えています。今後の成長と発展を見据え、様々な連携を深め、持続可能な農業の実現に向けた取り組みを続けていくことでしょう。大分農園の新たな挑戦が、日本の農業界にどのような影響を与えるのか、その行方が楽しみです。