荏原製作所が生成AI導入で新たな挑戦
製造業界は今、急速に進化しています。その中で、株式会社荏原製作所がSparticleのオンプレミス型生成AI「GBase On-Prem」を導入したことは、注目に値する出来事です。これは、製造業独自のニーズに応えるため、機密性の高い技術情報を守りながらAI活用を実現するための一手です。
導入の背景
荏原製作所は、長年にわたり蓄積されてきた設計資料や技術文書、社内規定等の機密情報を多数保有しています。これらは同社の競争力の源泉ですが、外部への持ち出しが厳しく制限されていました。近年、ChatGPTなどのクラウド型生成AIが普及していますが、機密情報を外部に送信するリスクやセキュリティポリシーへの懸念があり、実業務への導入は困難でした。
CPS推進部の担当者は「汎用AIでは、製造現場で求められる精度に達していない上、機密情報を外部に出すことができなかった」と振り返っています。このような背景から、荏原製作所は、オンプレミス型生成AI「GBase On-Prem」を選択しました。
選定理由
「GBase On-Prem」の選定理由にはいくつかのポイントがあります。
1.
データ主権の確保
オンプレミス構成により、設計図や技術文書などの機密情報を外部に漏らすことなくAI活用が可能になります。
2.
高精度な日本語処理とコストバランス
検証により、70Bモデルは一部のタスクにおいて高い精度を実現しながら、コストも効果的に抑えられるとされています。
3.
柔軟なモデル構成が可能
担当者は、必要に応じてモデルの選択ができ、特にRAG(Retrieval-Augmented Generation)機構を用いることで、社内のドキュメントを学習させることができる点が評価されています。
導入効果
GBase On-Premは現在、POC(概念実証)フェーズとして運用されており、担当者からは「満足度10点中9点」という高評価を獲得しています。
1.
技術情報検索の効率化
平均30分かかっていた技術情報の検索が平均2分に短縮され、即座に情報を取得可能です。
- 過去の設計仕様書の検索時間: 30分 → 2分
- 社内規程の該当箇所特定: 20分 → 1分
2.
RAG機構によるナレッジベースの構築
専門知識が無くとも、簡単にドキュメントをアップロードしてナレッジベースを構築できます。現場のニーズに応じた活用が進んでいます。
3.
セキュアな検証環境の構築
外部流出リスクを排除したことで、機密情報を用いたAI検証が可能になっています。
今後の展望
今後、Sparticleは製造業特化のAI活用支援をさらに強化していく計画です。業界特化型モデルの開発や、視覚言語モデル(VLM)への対応拡充、更にはエージェント機能による業務自動化の推進が見込まれています。これにより「製造業のお客様が持つ膨大な技術資産を最大限活用できる環境を提供していきたい」と、開発チームのメンバーは意気込みを語ります。
| 特長 | 内容 |
|---|
| - | - |
| 完全オンプレミス対応 | データ外部送信なし |
| RAG対応 | 社内ナレッジを活用可能 |
| 高精度LLM対応 | 70B/80Bモデルに対応 |
| GPUリソース最適化 | 量子化技術を用いた効率的な運用 |
| カスタマイズ対応 | 企業ごとのニーズに応じたカスタマイズが可能 |
このように、荏原製作所は生成AIの導入により機密技術を守りながら業務効率を飛躍的に向上させており、今後の展開に大きく期待が寄せられています。