大阪・関西万博での水素サプライチェーンの実装
2025年に開催される日本国際博覧会、通称大阪・関西万博において、NTTアノードエナジー株式会社とパナソニック株式会社が共同で水素サプライチェーンモデルの実装を完了しました。この新たな取り組みは、未来のクリーンエネルギー社会に向けた重要なステップです。
水素エネルギーの重要性
水素は二酸化炭素を排出せず、次世代のクリーンエネルギー源として期待されています。今後の社会に不可欠な水素エネルギーの広がりを実現するためには、「つくる」「ためる」「はこぶ」「つかう」の4つの段階を結ぶ水素サプライチェーンの構築が必要です。
サプライチェーンモデルの実装
今回のモデルでは、NTTパビリオン内の太陽光発電から生成した水素を、地中のパイプラインを通じて約200メートル離れたパナソニックグループパビリオンに供給します。ここで使用される純水素型燃料電池は、パナソニック製で、パビリオン施設や夜間のライトアップに利用される電力を供給します。
実際の流れ
水素は、NTTパビリオンで生成され、水素吸蔵合金タンクに蓄えられます。その後、地中に埋設されたパイプラインを通じて、パナソニックパビリオンの入口近くに設置された純水素型燃料電池へ運ばれます。このシステムによって、パビリオン全体のLED照明を夜間に点灯するための電力を賄うことが可能となります。
来場者への体験提供
さらに、両パビリオンではAR技術や動画を活用して、来場者に水素サプライチェーンモデルの内容を分かりやすく紹介します。これにより、訪れる人々は未来のエネルギー供給の仕組みを実際に体感し、理解を深めることができるでしょう。
NTTアノードエナジーとパナソニックの役割
NTTアノードエナジーは、水素の輸送を低コストかつ安全に行うための技術開発を進めています。また、パナソニックは、2009年に市場に初めて投入した家庭用燃料電池「エネファーム」から生まれた核心技術を用いて、純水素型燃料電池の開発を行っています。
継続的な取り組み
両社は、この万博会場での取り組みを通じて、水素が生活に身近なエネルギーとして普及する未来を描いています。これにより、持続可能な社会の実現へ向けた大きな一歩が踏み出されることでしょう。来場者は、この目新しいエネルギーインフラが持つ可能性を直接感じ取ることができるのです。
まとめ
NTTアノードエナジーとパナソニックの水素サプライチェーンモデルは、持続可能な未来を築くための重要な試みに位置づけられています。2025年の大阪・関西万博は、単なるイベントではなく、未来社会に向けた実証実験の場として、これからのエネルギー供給の在り方を示す重要な機会です。
このように画期的な取り組みをされている両社に期待が寄せられています。万博を訪れることで、私たちが直面しているエネルギーの未来について考えるきっかけになるでしょう。