RCCテレビが初のバーチャルプロダクションを実施
株式会社中国放送(RCCテレビ)は、広島市のスタジオで初めて「VIVE Mars CamTrack」を用いたバーチャルプロダクションによる映像制作を行いました。今回の取り組みは、2023年2月28日に放送された「DTMクラブ」の一環として、唐澤恋花アナウンサーが歌うオリジナル楽曲「春は来る」のミュージックビデオとしてオンエアされました。
バーチャルプロダクションの背景
近年、バーチャルプロダクションは映像制作の新たなスタンダードとして注目されています。この手法では、実際の撮影現場でリアルタイムに映像やCGを合成し、よりダイナミックなビジュアルを実現します。今回、広島のDX事業を展開するビーライズと共同で、この技術を取り入れた映像制作を進めました。
技術の詳細
RCCテレビが導入した「VIVE Mars CamTrack」は、HTC Corporationの最新テクノロジーで、リアルタイム合成を可能にします。このシステムにより、バーチャル空間と実際のカメラ映像をシームレスに結合でき、映像の完成度が大幅に向上します。また、ソフトウェア「Aximmetry」を利用することで、非常に高い精度でキーイングが行われ、リアルとバーチャルの境界がほとんど感じられない映像を生成します。
現場で完成映像を確認しながら制作が進められるため、スタッフ全員が共有したイメージのもと、効率的に撮影が行える点も大きなメリットです。この新しい映像制作手法は、従来の手法に比べてコストが削減できるため、映像制作にかかる負担を軽減することが可能です。
「春は来る」ミュージックビデオの制作
「DTMクラブ」の新しい試みとして、バーチャルプロダクションを駆使したミュージックビデオ制作が行われました。これにより、通常のスタジオでは実現できない多様なデジタルワールドが登場し、唐澤恋花アナウンサーが歌う「春は来る」の映像が特に印象的なものとなっています。様々なロケーションを自由に設定できるバーチャルプロダクションの技術によって、今後はよりクリエイティブな映像制作が期待されます。
今後の展望
バーチャルプロダクションの利点が十分に活かされている今回の企画を通じて、コスト削減とプロダクションの効率化が見込まれます。この技術を取り入れることで、地方の小さなスタジオでも高品質な映像制作が可能になり、ロケーションに対する依存度が低くなります。
今後、テレビ番組やCM、ミュージックビデオなどさまざまな映像制作にバーチャルプロダクションを生かしていくことで、広島の映像制作技術の新たなリーダーシップを発揮していきたいと考えております。この新しい時代の映像制作のスタイルがどのように進化していくのか、非常に楽しみです。