水溶性切削油「ダフニーアルファクールNVシリーズ」が大賞受賞
出光興産株式会社が開発した水溶性切削油「ダフニーアルファクールNVシリーズ」が、第21回2024年“超”モノづくり部品大賞において「大賞」を受賞しました。この受賞は、同社の潤滑油としては初の快挙です。
受賞式は2024年12月11日、東京で行われ、日刊工業新聞社の社長や出光興産の上席執行役員が出席し、盛大に祝われました。この「超」モノづくり部品大賞は、産業や社会の進展を支える部品や材料を対象としたもので、2003年の創設以来、約740件が表彰されてきました。
NVシリーズの特長と開発背景
「ダフニーアルファクールNVシリーズ」は、金属部品を切削加工する際に水と混ぜて使用する水溶性の切削油です。この製品は、モノづくり環境における生産性や品質を向上させるために開発されました。水溶性切削油は、他の潤滑油に比べて補給頻度が高いため、コスト面での課題があったほか、劣化による菌の繁殖や腐敗、油煙や蒸気の発生といった問題がありました。
そこで、出光興産は界面活性剤の成分を見直し、高い耐朽性を持つ切削油の開発に成功。これにより可の補給量の削減(20~80%削減)、腐敗までの寿命の延長(従来の2.5倍)、就業環境の改善(腐敗臭や油煙・蒸気量の削減)を実現しました。このように生産現場の声を生かした技術革新が評価され、今回の受賞に至りました。
受賞の背景にある思い
出光興産の上席執行役員寺崎与志樹氏は、受賞にあたり「就労環境と経営コストの改善を両立させる水溶性切削油」としての特長を強調。顧客からは「補給量が削減された」との高評価が寄せられ、現場での実用性が認められました。
同氏はさらに、「水溶性切削油やグリースは、自動車やスマートフォンをはじめ多くの製品で欠かせない存在。今後も持続可能な社会の実現に向け、モノづくりの現場に寄与する製品開発に取り組んでいく」と意気込みを語りました。
今後の取り組み
ダフニーアルファクールNVシリーズの開発で得られた知見を基に、出光興産はさらなる技術革新と製品開発を進めていく方針です。顧客満足の向上を目的に、現場の声に耳を傾け、持続可能なものづくりの実現に向けた取り組みを続けます。
出光興産が生み出した新しい水溶性切削油が、今後のモノづくりをどのように変革するのか、ますます注目が集まります。