ロレアル、NIMSとの共同研究を2028年まで延長
世界的に有名な化粧品メーカーのロレアルグループの日本における研究開発の拠点、ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパン(川崎市)は、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)との共同研究を2028年まで延長することに合意しました。この共同研究は、革新的な化粧品用素材の開発を目指し、2018年7月から開始されました。
共同研究拠点である「NIMS-L'ORÉALマテリアルイノベーションセンター」では、この7年間で様々な革新的な素材を開発してきました。スマートポリマーや光学材料、紫外線防御素材など、多岐にわたる研究領域を網羅し、環境に優しい生分解性ポリマーの研究も進めています。この活動を通じて、未来の化粧品に関する新たなイノベーションの創出を目指しています。
ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンは、NIMSとの連携によって、最先端の科学技術を化粧品に応用し、より安全で効果的な製品を開発することを目指しています。また、日本の研究機関や大学、材料メーカーとは、化粧品開発における革新が重要であると認識しており、地域のエコシステムを活かして新しい製品の開発に取り組んでいます。
「NIMS-L'ORÉALマテリアルイノベーションセンター」での活動においては、6件の特許出願と国際的な科学雑誌での2報の論文掲載、2つの国際学会での発表といった成果を挙げ、研究者の育成や交流促進にも寄与しています。2024年にはNIMSで学ぶ学生がロレアルを訪問し、最先端の化粧品開発を体験するイベントが予定されています。
今後の研究計画には、マテリアルズインフォマティクスを利用した新素材の開発や、環境に配慮したソフトマター・機能性無機粒子の研究が含まれます。また、素材の構造と機能に関する新たな知見を深めるための先端材料解析にも力を入れていきます。
ロレアルはこれらの取り組みを通じて「世界をつき動かす美の創造」という企業の理念を実現し、イノベーションを加速させ未来のビューティーを創造することを目指しています。ロレアルの化粧品開発における努力は、新しいマーケットを開拓するだけでなく、持続可能な未来に向けたリーダーシップを発揮することにもつながります。
ロレアルグループの概要
ロレアルは115年以上、美容と化粧品業界をリードしてきました。「世界をつき動かす美の創造」という理念のもと、環境と社会への貢献に取り組んでいます。37の国際ブランドを持ち、サステナブルな発展を追求しつつ、最高品質の製品を世界中に提供しています。また、9万人以上の従業員を抱え、21の研究開発拠点で活動しています。ロレアルの未来は、その革新とテクノロジーを通じて形成されていくことでしょう。