明治がカカオ生産支援へ約8000本の苗木を寄贈
日本の食品企業、株式会社明治は、持続可能なカカオ生産を促進させるため、「カカオ・サポート基金」を通じて、ブラジルとベネズエラにそれぞれ約8000本のカカオ苗木を寄贈した。この取り組みは、将来的な食糧供給や環境保護を図る一環として行われている。
「カカオ・サポート基金」とは?
明治は自身のサステナビリティ活動を推進するため、社員が主体的に貢献できる「カカオ・サポート基金」を設立。社内募金によって得られた資金を基に、カカオ産地の社会課題解決や持続可能な生産の実現を目指している。さらに、明治グループの「サステナビリティ2026ビジョン」に則り、社会貢献を進める姿勢が強調されている。
社会課題の一環として、カカオ産地では児童労働や森林の消失が深刻な問題であり、明治はこれらの課題に取り組むことが重要だと考えている。カカオを主要原料とするチョコレート製品の製造企業として、この問題の解決は企業の社会的責任でもある。
第2回「カカオ・サポート基金」の活動内容
2023年12月に実施された第2回の募金活動では、371名の社員が参加し、921,900円が集まり、ブラジルに1,590本、ベネズエラに6,300本のカカオ苗木が寄贈された。前回の第1回基金でも、ブラジルに1,550本、ベネズエラに7,000本の苗木が寄贈されており、継続的な支援に感謝する声も現地の農家から上がっている。
苗木たちは順調に成長し、2~3年後には収穫が期待されている。この取り組みによって、持続可能なカカオ生産が進むことが望まれる。
寄贈の実績について
- - 募金期間: 2023年12月1日〜12月31日
- - 対象企業: 明治ホールディングス、株式会社明治
- - 寄贈時期: ブラジル:2025年1月、ベネズエラ:2025年4月
寄贈された苗木は、香味や生産性、耐病性に優れた選抜品種から接ぎ木したものであり、農家のために特別に育てられたものだ。また、ベネズエラに寄贈された苗木は、種子から育てられたもので、現地の土壌や気候に適応したものとなっている。
明治の独自プログラム「メイジ・カカオ・サポート」
明治のカカオ農家支援活動は2006年から行われており、現地の農家と共に直面する課題に寄り添いながらサポートを続けている。カカオの栽培方法を改善するための勉強会の開催や、必要な苗木センターの開設、病害虫管理についての技術指導などを行っている。また、井戸の整備や学校への備品寄贈など、幅広い生活支援も行われている。
カカオの新しい価値創造プロジェクト
明治は「ひらけ、カカオ。」というプロジェクトを通じてカカオに新たな価値を見出し、カカオに関わるすべての人が笑顔になれる未来を目指している。食品だけでなく、2023年には非食品領域の新ブランド「CACAO STYLE」も立ち上げており、カカオの持つ多様な可能性に挑戦している。
これからも明治は、責任ある原材料の調達を推進し、持続可能なカカオ生産を目指す取り組みを続けていく所存だ。