「人」が育つ組織：動物病院グループのチームマネジメントノウハウを公開

動物病院経営の変革を語る一冊

獣医師免許を持ちながらも臨床の道を捨て、動物病院の経営に専念し、関連プロダクトの開発や起業家支援を行う生田目康道氏。氏は、動物医療業界が変化の波に乗りながらも、常に「人」を大切にする組織づくりを追求してきました。

本書『「人」が育つ組織』は、氏が長年培ってきたチームマネジメントのノウハウを惜しみなく公開したものです。動物病院という特殊な環境で、どのように組織を構築し、人材育成を行ってきたのか、具体的な事例を交えながら解説しています。

組織拡大のための「1・3・1・3の法則」

本書では、動物病院が置かれている事業環境の変化を読み解きながら、これからの動物病院に求められるものについて考察しています。特に注目すべきは、組織拡大における「1・3・1・3の法則」です。

この法則は、組織の成長段階に合わせて、リーダーシップやマネジメントスタイルを変化させる必要性を説いています。初期段階では、リーダーが中心となって組織を牽引していくことが重要ですが、組織が成長するにつれて、リーダーの役割を分担し、チーム全体で目標達成を目指していく必要があります。

多様な人材を活かす「いけばな型マネジメント」

また、本書では、多様な人材を活かすための「いけばな型マネジメント」も紹介されています。これは、それぞれの個性を尊重し、それぞれの持ち味を生かせるような組織体制を構築する考え方です。

生田目氏は、動物病院という現場において、獣医師だけでなく、看護師、受付スタッフなど、様々な職種の人材が連携して業務を行うことの重要性を認識しています。それぞれの専門性を活かし、チームとして力を発揮できるような環境作りこそが、組織を活性化させる鍵だと考えています。

獣医師のキャリアパスを拡大

本書では、臨床技術だけでなく、社会人としての基礎力を徹底的に鍛える研修システムについても言及しています。生田目氏は、獣医師のキャリアパスを拡大するため、経営やマネジメント、マーケティングなど、幅広い知識やスキルを習得できる環境を提供しています。

動物医療業界は、近年、専門性の高い人材が求められるようになっています。本書は、そのような変化に対応できる人材育成の重要性を改めて認識させてくれる一冊です。